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鎌倉 人物風土記

公開日:2026.09.11

湘南地域が舞台のミステリー小説『幽世(かくりよ)までの寄り道 介護施設・灯影庵(ほかげあん)の謎日誌』(宝島社文庫)を出版した 亀野 仁さん 横浜市在住 53歳

  • 亀野 仁さん (写真1)

日常の「もしも」を紡ぐ物語

 ○…湘南海岸近辺や西鎌倉を舞台としたミステリー小説『幽世(かくりよ)までの寄り道 介護施設・灯影庵(ほかげあん)の謎日誌』を8月5日に出版した。長年、湘南モノレール沿線の美容院に通い、「もしも自分がこの街に住むなら」と散策しながら想像を膨らませてきた。車窓から望む景色や空気感など、通い続ける中で培った土地勘と距離感が物語のリアルな世界観をつくり上げた。

 ○…今作は、知人から聞いた介護現場の日常や自身の不可思議な体験を組み合わせて作られた。「大切な人に贈ろうと書き始めた自主作品だった」というが、執筆を進める中で物語のおもしろさに手応えを感じ、商業出版へと結実した。地元住民なら「あの場所だ」とピンとくるモノレールの独特な揺れやリアルな街並みなど、こだわりが散りばめられている。

 ○…兵庫県出身。読書好きな少年だった。18歳で渡米し、大学進学。映画や映像制作を学んだ。卒業後はNYを拠点に映画助監督やテレビCMの海外撮影コーディネーターを務め、帰国後はCMプロデューサーとして世界各国の現場を飛び回ってきた。30代前半から趣味で小説を書き始め、宝島社が主催する『このミステリーがすごい!』大賞へ応募を重ねた。「これが最後」と挑んだ5回目の挑戦で第19回同大賞の文庫グランプリを受賞し、2021年にデビュー。「登場人物の感情をさらけ出す大切さに気づいた」と語るように、波乱万丈な人生経験と人間観察が作品のリアリティを支えている。

 ○…「作品を定期的に出し続けることが一番の目標」と創作意欲を燃やす。「異業種の仕事や街中での人間観察が、一番の刺激やアイデアの源になっている。これからも人間味あふれる物語を届けていきたい」と、満面の笑みで語った。

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