バレンタインアイランド江の島でMIRROR BOWLER光アートを手掛ける 田村 卓巳さん 池辺町在住 56歳
アートで未知の領域へ
○…キラキラと無数の光を反射しながらミラーボールが回り、幻想的な空間を創り出す―。14日まで開催中の「バレンタインアイランド江の島」で展示されるミラーボーラー光アート。江の島サムエル・コッキング苑を会場に行われており、その中の昆明(クンミン)広場のオブジェを個人で仕上げた。「どんなものかって?そりゃ見てもらわなきゃ、言葉になんかできないよ」と笑う顔は天真爛漫そのものだ。
○…「ミラーボーラー」は、ミラーボールで光と反射の空間作品を創るアート集団。00年の発足後、ロックフェスの装飾などで話題を呼び、活躍の場を広げてきた。「ミラーボールって、360度の風景を映してるだけで実体がない。それが回転するってことに無を感じるんだ」。魅力を語る言葉は哲学的。そんな深みのある世界に、観る者を光の美しさでいざなう。しかし最初は、本人たちもどんなものになるかわからなかった。「憶測が付かない領域へ行きたい。どうやって誰もあけてないドアを開くかが楽しみ」。クリエイターとしての好奇心が原動力だ。
○…広島県呉市で生まれ育った。小さなころから絵を描くのが大好きで、多摩美術大学へ進学。卒業後はフリーランスで撮影美術を仕事に。スタジオの空間デザインや制作などを手掛ける。ミラーボーラーには発足時から携わり、共に歩んできた。当初はボールを配置するだけだった作品は、オブジェを形作るなど徐々に進化。「オリジナリティを追求していかなきゃ」。地元の都筑民家園でアートプロジェクトに参加し、竹林を舞台に作品を展示したことも。現在は、ミラーボールの周りを何枚もの絵で囲う試みを構想中。どんなものになるかはお楽しみだ。
○…創作の源泉は黒ホッピー。絵を描きながらちびちび…それが一番のリラックスタイム。「始めの15分が勝負なんだよネ。あとは酔っ払っちゃう」。茶目っ気は忘れず、未知の世界を求め突き進んでいく。
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