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公開日:2026.09.03

牛久保西在住羽鳥信一さん 剣道八段に合格 肺がん手術乗り越え

  • 道着を身にまとい正座をする羽鳥さん

    道着を身にまとい正座をする羽鳥さん

 牛久保西在住の羽鳥信一さん(73)が8月8日、愛知県で開催された剣道の審査会で合格。最高段位の八段を取得した。2018年に肺がんによる左肺部分摘出手術を乗り越えての合格に、羽鳥さんは「剣道ができて幸せ」と満面の笑みを浮かべ、悲願の段位取得を嚙み締めた。

合格率は1%

 剣道八段は、七段取得後10年以上修業し、かつ満46歳以上の剣士に受審資格が与えられる。剣道を始めて60年の羽鳥さんは18年に八段受審の資格を得たが、その年の2月に肺がんのため、左肺の半分を摘出する大手術を行っており、初挑戦は同年11月。以来20回にわたり、高い壁に挑みながら、跳ね返されてきた。

 審査会は、東京都と京都府を会場に各2日間(年度により一部追加開催あり)、22年度以降は愛知県を加え、年6回実施されている。多い時には1回あたり1000人以上が受審するが、合格者は毎回1%前後という超難関だ。

 審査は八段受審者が4人1組となり、一次は6人、二次は9人の審査員の前で「立ち合い」と呼ばれる実技を2人と実施。合格者は二次審査に進み、同様に2人と「立ち合い」を行い、合格者は日本剣道形審査で演舞を披露する。合格には「立ち合い」の勝敗だけでなく、身のこなしや打った時の姿勢などでも高いレベルが求められる。

 8月8日の審査会には羽鳥さんを含め961人が受審。午前10時から始まった一次審査は、2度の立ち合いともに「圧倒」(羽鳥さん)。二次審査も手応えはあったが、不安と緊張は消えなかった。午後7時。自らの受審番号が合格者欄に記され、8年にわたる挑戦に終止符が打たれた。

 この日合格したのは羽鳥さんを含め10人で、合格率は約1%。羽鳥さんは合格者の中で最年長だったが、審査員からは「とても73歳の動きには見えなかった」との評価を得ての合格だった。

師匠の剣道、次世代に

 岩手県生まれの羽鳥さんは、福島県いわき市に住んでいた中学1年生の時に剣道を始めた。高校も強豪校に進み、1971年に住友銀行(当時)に入行。92年には全国実業団大会で優勝するなど「環境に恵まれた」と振り返る。

 現在も週4〜5回の稽古と後進の指導に当たる毎日。国際社会人剣道クラブなどにも所属、月に1度の稽古会や年に1度の親善大会にも顔を出す。「大きな病気をしたので残りの人生は剣道に費やしたい」と語る。

 八段取得は、自身の師匠でもある故中村藤雄氏から託された「古くから伝わる剣道」を広めるための「説得力」を増すため取得したかったと話す羽鳥さん。今後は、中村氏の教えを伝えていければ、と胸を膨らませた。

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