アドリア海沿岸のクロアチア・リエカ市に和の庭園が映えるヴェジーツァ日本公園が6月に完成した。同公園を設計監理したのが泉が丘中学校近くの磯勇人さん(イソデコ住環境デザイン代表)。計画から3年、国や市との協議、資金集め等で紆余曲折を経ての完成に磯さんは「感無量」と喜びを表す。
同公園はヴェジーツァ小学校の文化教育プログラムの一環として、磯さんの元上司が在籍する東京・築地のロータリークラブとリエカのクラブとの共同プロジェクトとしてスタート。同校前、約15m×50mの敷地に完成した。
磯さんは日本伝統の故事、哲学をもとに同公園をデザイン。龍門瀑(りゅうもんばく)などがある「動の空間」と茶室や茶庭がある「静の空間」という2つの空間に分けた。
龍門瀑は子どもの鯉を表現したガラスの石が滝の上流を目指して上り、頂上にたどり着いたときに龍に変わり成功を収めるというストーリーがある。
連子窓には同国伝統のレースを取り入れ、両国の伝統とアートが合致したものを象徴している。これら「日常の動」と「非日常の静」の空間により、同国の繁栄と平和を表現した。
資材はすべて地場産のものを使用し、現地の石工などが施工した。現地の職人が慣れない日本庭園の仕事は時間がかかったが、「法則を少し崩すことになったが、アーティスティックで面白いものになった」と磯さんは振り返る。
同公園は福祉ジョイントプロジェクトになっており、メンテナンスは現地の障害者も行う。
ランドスケープ・ガーデンデザイン、生け花、建築、福祉施設とのコラボレーション等を行う磯さんは、知的障害者との個人宅や学校の外構デザイン、施工にも携わる。海外の仕事が近年増え、年間の半分近くを海外で過ごす。
磯さんは「今年はクロアチアと日本の国交樹立20周年の節目。アドリア海沿岸の風光明媚な場所に位置する日本公園で日本とクロアチアの文化交流の場、政府間交流の場となっていくことを期待したいと思う」と、同公園での両国交流を望んでいる。
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