葛野小そばの「こども食堂・がじゅまる」を代表として切り盛りする 中村 葵さん 戸塚区汲沢在住 31歳
好奇心と興味を混ぜて自分事
○…「子どもが好き。海外に学校を建てたいんです」。食堂開設についての問いに、開口一番、そう答える。日本で今できることは何かと考え、たどり着いたのが「こども食堂」。2年ほど前、三軒茶屋で知人が運営している食堂を訪ね、近隣の実施箇所も見て回った。「やりたいと思ったら動いてしまう性格」。眼差しはまっすぐ、笑顔は屈託がない。
○…「私自身、家庭環境が複雑だった。非行少女でしたよ」。あっけらかんと笑う。学生の当時は楽しく、かっこいいと思っていたこと。「子どもにそうはなってほしくない」。一人で食べていた夜ごはん。コンビニエンスストアで買っていた。「あのとき、こども食堂があったら私も行っていたと思う」。通ってきた道だからこそ、誰かに聞いてほしい話があることを知っている。
○…夫と小学5年生の長男、2年生の長女の4人家族。昨年、不動産コンサルタントの会社を起業、家では家事と忙しい日々を過ごす。最近は、中学1年生以来というバレーに挑戦。地域のママさんバレーチームに入り、汗を流している。「恥ずかしいとかあまりなく、物怖じしない」。興味や好きなことへのフットワークは軽い。
○…「SDGsが気になって調べている。温暖化や海洋プラスチックの問題も、こども食堂のイベントで扱えたら」。素通りしがちな地球の課題も持ち前の好奇心で自分事に変える。「子どもと一緒に学びたい」。長男が最近、『ご飯が食べられない子どもがいるのは可哀そうだ』と口にしたと喜ぶ。「自信はなくて、がんばってもいない。好きなことをやっているだけ」。謙遜の先に広がる協力の輪。「本当に人に恵まれている」。温かみを感じたいと願う母の食堂が開店した。
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