平素の準備を大切に

　○…今年３月、泉警察署の署長に着任。警察官として今年で40年となり、そのうちの半分以上を「警備」の分野で過ごしてきた。「警備で重要なのは平素からの準備。昔から言われているが、９割は事前準備といっていいほど」。着任のあいさつでは署員に対し、「区民の立場に立った仕事を」と求めた。「自主性が大事。自分で進んで取り組まないと、良い仕事はできない」

　○…泉署の前には葉山署の署長を１年間務めた。警備を担っていた御用邸もあり、富士山の美しさがまちの魅力のひとつだったという。「泉署も富士山がきれいに望める。またちがう良さがある」。葉山との大きな違いは駅の多さ。「防犯面からすると、逃走経路の多さにもなりうるもの。特殊詐欺をはじめ、しっかり対策していく」と気を引き締める。

　○…相模原市出身。小学生の頃は野球選手にも憧れたが、高校卒業時には兄の背中を追って警察官に。「刑事ドラマは好きで、その影響もあるかもしれない」と微笑む。機動隊に所属していた時期もあり、皇室警備やＡＰＥＣなどの警備も経験。泉区での目下の課題は特殊詐欺対策だ。迷惑電話防止機器の貸出もしており、活用をよびかけるとともに「家族や地域の日頃のコミュニケーションを。それも予防になりうるはず」とする。

　○…家に帰れば社会人になった長男と大学生の長女の父の顔に。また仕事をしながら支えてくれている妻とは寺社巡りをするのが束の間の気分転換。目指しているのは「日本百観音」をすべて巡ること。「それぞれの土地の文化や歴史にふれられるのが面白い。西国は定年して時間ができてからの楽しみに」。泉区民の心安らぐ暮らしのためにも、一致団結して泉区を守っていく。