育ち助ける理想の環境を

　○…岡津幼稚園では日々の園児の様子を撮影したものを編集し、昨年夏から保護者向けに数日間動画を公開する形で配信している。副園長として園内の環境整備を担うかたわら「園庭カメラマン」としてこのコンテンツを支える。「先生が振り返りとして見直すことも大事だけど、保護者の視点でも子育ての気づきがあるのでは」。３児の父としての経験も通じ、試行錯誤を続ける。

　○…泉区出身。白百合愛児園（中田東）に通っていた頃、優しい先生と出会って将来は園の先生にと憧れた。その後も思いは変わらず、専門学校を経て夢を叶えた。すぐさま「子どもに楽しさを『提供』して、実際に喜ばれていた」。だが、保護者との面談で子どもの様子を聞かれると「１人ひとりのことはほとんど話せなくて。つまり見てなかったんですね」

　○…29歳で転職し、畑違いの製図会社に勤めたことも。その頃、長男が入園した川和保育園で感銘を受けたという。「園は親が育つ場所でもあるんだと。園と保護者がともに子どもを育てることが大事なんだと気づかされました」。再び幼児教育に携わりたいと考えていたところへかつて新卒で務めた岡津幼稚園から声がかかり、副園長として復帰。「当初は、やりたいことの思いが強く、伝え方がうまくなくて。今があるのは周りの人たちが優しいからです」と自省気味に振り返る。

　○…動画撮影は長時間に及び、必然的に編集時間も多く要する。「家でかかりきりで作業してるので、『親の温もりが大事』なんてお前が言うなですよね」と苦笑い。理想の園のための「やりたいことリスト」は80にものぼる。「僕らが考える以上に子どもたちはすごい想像力がある。そのきっかけとなる環境を整えていけたら」