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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2011.05.12

NGO「ラオスのこども」の代表で、横浜市とラオスの子どもの文化交流を企画している
森 透さん
舞岡中学校卒業 55歳

子どものエネルギー感じて



 ○…「日本の子どもが心配なんです」─。ラオスの子ども達へ本と居場所を提供するNGO「ラオスのこども」の代表を務める。同団体に加入したのは19年前。活動を通じ、自分たちの作った絵本を読んで、目を輝かせて喜んでくれる子ども達から生きる力を感じるという。だが、ラオスの支援活動をするにつれ疑問も抱いた。「自分の足元、『日本』の子どもと全く触れ合っていないじゃないか」



 ○…2〜3年前に行われた舞岡中学校の同窓会が、日本の子どもと関わるきっかけになった。そこで同級生から当時の教師・村上芳信さんが演劇をしていると聞き、舞台を見に行くことに。演劇に興味は無かったが、その劇が、地域住民が演じる「地域演劇」だという点に魅かれた。その劇団員には子どもが多く、「演劇を通じた教育」も目的の一つになっていた。それまでコンビニや電車内で見かける日本の子どもからは、全くと言っていいほどエネルギーを感じなかったという。「それで、本当に生きてるのかって思うくらいだった」。ところが、その舞台は、一生懸命演じる子どものエネルギーであふれていた。



 ○…昨年10月、村上さんらと、戸塚区民などで構成された戸塚区民ミュージカルを立ち上げた。今は、横浜市の子どもとラオスの子どもの文化交流を図る「ハマラオシアター」の企画も行っている。今年は横浜市だけでの開催だが、今後は、ラオスのビエンチャン都教育局と連携し実施していく予定だ。



 ○…このような活動が、子ども達にとって「自分以外の人」や「外国」に目を向けるきっかけとなってくれることを望んでいる。最初は日本の子どもに先入観を持っていたが、実際に向き合って気付いたことがある。物であふれた日本の子どもは、紙芝居などでは喜んでくれないと思っていたが、それは違った。「接してみたら、日本の子どもも、魅力的でしたよ」。少しホッとした表情で語った。

 

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