11月12日から福岡県で開催される「日本身体障害者水泳選手権大会」に出場する 小石 昌矢君 平戸小2年
左腕で未来を拓くスイマー
○…6月に開催された関東身体障害者水泳選手権大会に出場し、大会記録で優勝。全国大会の切符を手に入れた。生まれた時から、両足は太ももまで、右腕は二の腕まで。体を支える筋肉のついた左腕で水をかき、50mを泳ぎきる。昨年までクロールで挑戦していたが、今年から出場選手の少ないバタフライに転向したのが功を奏した。会場は福岡県。「飛行機に乗るのが楽しみなんだ」と満面の笑み。「がんばるぞー」と高くこぶしを上げておどけた。
○…水泳を始めたのは4歳。保育園ではリスク回避のため、他の児童と一緒の仮設プールに入れてもらえず、タライで水浴びをしていた。最初は顔を水に浸けることもできず、タオルで顔を濡らすことから始めた。それが今では、「水泳をしている時が一番楽しい」。片腕で水をかき、全身をうねらせて泳ぐ。真っ直ぐ進める理由は「分かんない」。コーチにも分からないため、タイムを伸ばす方法はただひとつ、「練習すること」。
○…ポケモンカードにDS、wii、たくさんの金銀メダル。左腕を器用に使って、ピョンピョンと元気いっぱいに部屋中を飛び回り、宝物を紹介してくれる。最近のお気に入りは、片手で吹けるよう改良されたリコーダー。他の児童が使うものと吹き方が異なるため、リコーダーの授業が始まるまでに吹けるよう、特訓中。「ド・レ・ミ…」
○…生活で不便だと感じることはない。学校や水泳の練習に「行きたくない」と言ったことは一度もない。背は小さいが、腕は人一倍がっしりとして、手のひらも大きい。「6年生の女子に腕相撲で勝っちゃったんだ」。幼稚園のころからの得意技「逆立ち」は、腕相撲にも水泳にも大いに役立っている。将来の夢は「パラリンピックで金メダルをとること」。中学でジャパンパラリンピック。次はアジア大会、世界選手権。目標は次々に挙がる。大きな夢に向かい、課題のターンと飛び込みの練習に日々励む。
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4月18日