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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2012.03.08

33年にわたりミニバスケチーム「川上北ブルーデビルス」の監督を務め、春の全国出場に導いた
三橋 雅彦さん
秋葉町在住 51歳

私の方こそ、ありがとう



 ○…「考えて考えて」「悩んで悩んで」。練習を中断し、集合した児童にそう伝えるものの、多くは語らない。「組織力」。全国出場の主因に挙げたキーワードは、「考えさせる」普段の練習から養われている。今では、ホワイトボードを使って児童自らが議論する姿も見られる。「山本五十六の『やってみせ、言って聞かせて〜』だけだと足りないと思うんです。その上で、『考えさせる』もないと」。そうやって、「教えるのでなく、育てる」ことが信条だ。



 ○…今回、全国に導いた同チーム女子の全国出場は4回目。21年前には全国制覇も果たした。監督を務めて33年。指導のあり方の背景には、時代とともに変わってきた子どもの姿がある。根性論では動かなくなった、自分にも他人にも優しい今の子ども。それでも、自分が考え決めたことだと逃げない。人から言われたことではないから。時代の変遷を受け入れ、どうすれば子どもが育つかを模索してきた。



 ○…練習拠点の川上北小学校は母校。舞岡中時からバスケットボールを始め、東海大相模高時までプレーした。子どものころから人に教えることが好きで、教師になってバスケ部の顧問を務めるのが夢だった。高校の時は怪我に悩まされ、痛み止めの注射を打って練習に臨む日々。バスの乗車時にも長時間立てない体になってしまったが、最後まで止めなかった。「だって、子どもに言えなくなるじゃないですか」と笑う。指導の説得力を欠くと、当時から児童の心象まで考えていた。



 ○…県信用保証協会に勤め、中小企業が融資を受ける際の保証をする。終業が夜11時を過ぎることもあるが、仕事を調整し、可能な限り児童を見る。高校3年からの指導者人生。長く感じるが、本人は「あっという間」。定年を迎え、指導により時間を割ける60歳からが人生の本番と言い切る。「(児童から)感謝を言われることもあるけど、とんでもない。私こそ生きがいをもらえて、ありがとう」

 

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