戸塚区版 掲載号:2012年3月29日号
  • googleplus
  • LINE

3月10日に完成した冊子「柏尾の百年史」の編さん委員会委員長 齋藤 純一さん 柏尾町在住 64歳

先人と次代をつなぐバトン

 ○…5cm四方の小さなモノクロ写真には、1962年に行われた稚児行列の様子が写っている。写真を引き伸ばすと、2代目の町内会長や今もある成正(じょう しょう)寺の名があるのが分かった。多くの伝統を残してくれた先人と、貴重な写真を提供してくれた住民。彼らのおかげで、昔と今をつなげられた瞬間、涙が頬を伝った。「ありがたい」。1年をかけて作った百年史。内容の骨格作りや資料の意味を調べるのには骨が折れたというが、資料を見せて町の歴史を語る様は、熱を帯びていた。

 ○…子どものころ、町内は100世帯もなかった。それが昭和30年代以降、開発が進み、転入者が増加。今、世帯数は当時の10倍以上に。一方、土着の人は1割もいない。「我々が生きているうちに、柏尾の歴史をまとめよう」。先人への感謝の思いを込め、次代にたくすバトン。百年史は地域愛の結晶だ。そんな思いに柏尾小学校やブリヂストン横浜工場も共感。地域ぐるみで冊子は作られた。

 ○…自分の先祖にも関心がある。きっかけはアレックス・ヘイリー著の「ルーツ」。「一生で1万冊」と目標を掲げるほどの読書好きが挙げる人生の一冊だ。アメリカ黒人の著者が、アフリカから奴隷として連れて来られた先祖を辿る物語で、民族に誇りを持つ大切さを感動とともに教わった。「私も書かなくては」。親族の生没年や結婚時期などを記した家系図を20年書き続けている。これらを活用して、自らのルーツが、豪族・齋藤一族の分家だと推測されることも分かった。

 ○…「お年寄りだけでなく、若手で町に活気を」。大学卒業後に同年代の仲間と青年会を立ち上げてから町内会活動を続けているが、そんな自分が今はもう、「お年寄り」。6年前に新しい青年会を発足したが、百年史の改訂版や隣の上柏尾町の歴史冊子作成、柏尾小に歴史資料館を作ることなど、次代に向けた構想はまだまだある。バトンタッチは、もう少し先のようだ。
 

戸塚区版の人物風土記最新6件

酒井 茂さん

中学校の美術教諭として働くかたわら油彩画の個展を開く

酒井 茂さん

3月15日号

前田 利昭さん

NPO法人化10周年を迎える「ふらっとステーション・ドリーム」の理事長

前田 利昭さん

3月8日号

HAMMER(ハマー)さん(本名 前澤 高行さん)

戸塚公会堂で音楽イベント「UNITY」を初開催する音楽アーティストの

HAMMER(ハマー)さん(本名 前澤 高行さん)

3月1日号

末岡 恵実さん

自身が手掛ける「手づくり絵本」を制作するための工房を立ち上げた

末岡 恵実さん

2月22日号

平沼 芳彩さん

かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018で「ベストプラン賞」を受賞した

平沼 芳彩さん

2月15日号

小倉 純二さん

3月に開場20年を迎える日産スタジアム(横浜国際総合競技場)の名誉場長を務める

小倉 純二さん

2月8日号

戸塚区版の関連リンク

あっとほーむデスク

戸塚区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

境木中吹奏楽部が演奏会

境木中吹奏楽部が演奏会

26日 鎌倉芸術館

3月26日~3月26日

戸塚区版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年3月15日号

お問い合わせ

外部リンク