100回のフルマラソン完走を達成した 高嶋 威男さん 前田町在住 68歳
綿密な計画で目標走破
○…昨年11月23日に栃木県で開催された「第25回大田原マラソン」。1990年のフルマラソン初完走以来、100回目のゴールを切った。「肋骨を折った痛みに耐えて走ったり、食あたりで直前までほぼ食べられないまま出場したこともあった」。残り5Km地点で、ふいに思い起こされた22年間の苦労。ゴール後、自宅で待つ妻・泰子さんへの電話は涙で声にならなかった。
○…通勤片道2時間、タバコ1日60本、接待で帰宅は連日午前様。40代の頃、健康診断ではいつも異常が見つかった。そんな生活に「何か健康なことを」と思い立ち、1カ月後に控えたマラソン大会の10Km部門にエントリー。「1時間切ったら1000円あげる」という同僚の冷やかしをよそに52分で走り切り、「見込みがあるかな」と大会を主管していた走友会に入会。努力が結果に直結する魅力にはまり、練習の妨げだった不規則な生活から脱却しようと2年後に地元の会社へ転職。10Kmを走って通勤し、体重もみるみる落ちた。
○…先輩の助言や専門誌から確立した練習法。朝4時に起き、15Kmを走る。自己を厳しく律し、挑み続ける孤独な戦い。これも家族の支えがあってこそと実感している。そんな感謝の意を込め、北海道から沖縄まで巡る開催地でレース翌日に夫婦共通の趣味の登山を楽しむこともしばしば。「いつも面倒を見てもらっているから恩返しをしないと」。
○…16年かけて達成した50回目の完走。その頃から100回を意識し、「体力も落ちていくし、孫ができれば時間もとられる」と「5年で50回計画」を企て、目標タイムも3時間切りから確実な完走を狙い3時間半に変更。「無駄な時間を作るのが嫌い」という持ち前の几帳面さで綿密な計画を立て、ほぼ月1回のペースで悲願を達成した。平均タイム3時間27分。今後は回数を絞るが、「長生きしていつまでも元気で走りたい」。昨年5月に誕生した初孫とのフルマラソン完走が夢だ。
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4月18日