災害時の医療チームを発足した医療法人柏堤会の理事長(戸田中央医科グループ副会長) 横川 秀男さん 都内在住 56歳
「必要」とされる医療を
○…戸塚区を中心に12施設を運営する(医)柏堤会。20年間にわたり病院改革や施設拡充などに奔走してきた。この春にはグループで災害時の医療支援チームを発足。強調する「当たり前のことをする」という信念のもと、常に必要とされる医療のあり方を模索する。
○…東京都の蒲田出身。「町工場が多く、油のにおいがした街」と懐かしむ糀谷で生まれ育った。父親は当時、街で唯一だった診療所の開業医。「一日400人位を診察し、毎晩5回は起こされるほど忙しかった」父は、周囲から常に頼られる存在だった。「必然的になるべきもの」との思いから医師を志すことに。昭和大学医学部を卒業し、同大外科学大学院入学後は研究と勤務を両立。診療科を決める際には「時間、リスクともに大きく、ダイナミックな手術」に惹かれ、胸部心臓血管外科を選択した。あるときは2、3日間に及ぶ手術を行ったことも。20代のころは多忙のあまり徹夜続きで、年間300日を病院に泊まったこともある。「携われることにやりがいを感じた。気力、体力、チームワークが大切な現場は自分に合っている」と分析する。
○…同大藤が丘病院での勤務を経て、36歳で戸塚共立第1病院の副院長に就任。倒産寸前からの再建を目指し、まず取りかかったのは救急車の100%受け入れだ。学生時代の人脈を生かし、人材集めにも奔走した。当時を振り返ると「面白かった」と笑う。「手術ができないのは残念だけれど、発展するために戦略を練るのは苦労ではなく楽しい。自分自身の向上にもなる」。前向きな思考で常に困難をチャンスに変えてきた。
○…高校、大学とラグビーに没頭。休日は昭和大ラグビー部のOB会長として、学生たちの指導にもあたる。ラグビーへの情熱から、女子ラグビーチーム「TKM7」も創設。オリンピック出場が夢だ。ラグビー精神の「一人は皆のために、皆は一人のために」を胸に秘め、挑戦はまだまだ続く。
|
<PR>
|
<PR>