JR戸塚駅の駅長に着任した 菅井 知己さん 東京都在住 57歳
疾走、駅員人生の終点へ
○…区内の交通の中枢を担うJR戸塚駅の駅長に着任して2カ月。一日およそ20万人が行き交う駅だからこそ、構内の利便性の向上や美化などに努めようと日々奔走している。「駅は地域の顔。もっとみなさんに親しんでもらえたら」と白い歯を見せる。
○…新潟県出身。高卒後、両親の勧めで旧国鉄に入社。「“鉄オタ”でもないし、まさかこの仕事に就くとは思っていなかった」。まずは地元で6年間勤務。当初は早朝や深夜の業務に骨を折ることも多かったが、利用客からの「ありがとう」に励まされ、やりがいを見出す。その後、26歳で新宿駅へ。地方から都会への大異動は想像以上に大変で、緊張感からか、窓口で口にする「少々お待ち下さい」を毎晩寝言で言ってしまうほど。それでも持ち前の明るさを武器に経験を積み、八王子副駅長や登戸駅長を任されるまでに。「多忙で疲れて帰ることもあったが、娘や妻の顔を見るたび癒された」。家族の支えもあり、今に至る。
○…休日はスポーツで汗を流すアウトドア派。はつらつとした姿勢は仕事中も発揮され「部下と常にコミュニケーションがとれるよう、自室の扉は必ず開けている」と風通しの良い職場を心掛ける。「駅員が生き生きしていると、駅もまちも元気になる」。明るい雰囲気づくりの根底に、揺るがぬ信条が垣間見える。
○…「箱根駅伝の中継所でもあり、多くの人でにぎわう場所」と戸塚の印象を語る。そんなまちのさらなる活性化に力を添えようと、今後は地域イベントにも積極的に参加するつもりだ。「定年まであと3年。多分最後に勤める駅になると思う。だからこそ、新しいことにも果敢に取り組んで、全力を出し切りたい」。駅員人生の終点に向けて走り始めた。
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4月18日