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公開日:2021.05.13

矢部町白瀬さん
障壁なくす造形教室開講
地域の団体とタッグ

  • 白瀬さん(中央右)、久保川さん(中央左)と参加者

  • 参加者の作品

 矢部町在住の白瀬綾乃さん(43)が、新聞紙や雑誌など身近なものを使ってアート作品を作る造形教室を5月8日に開講した。発達障害者の支援を行う(一社)ぴぐまりおん(戸塚町)と協力したもので、今後は障害のある人もない人も平等に活動する「ノーマライゼーション」の実現を目指すという。



 教室は毎月第2土曜に誰でも参加が可能な「みんなのアトリエ」、第3土曜日は発達障害児向けに行われる「アトリエぴぐまりおん」の2つ。ぴぐまりおんの活動場所である戸塚小学校そばで行われ、身近な道具を使って切り貼りしたり、色を塗ったりしてアートを作っていく。「今後は徐々に2つの教室の交流を深め、障害の有無にかかわらず、来た人誰もが楽しめる場にしたい」と白瀬さんは展望を語る。



きっかけは病の発症



 9年前にギラン・バレー症候群という末梢神経の障害で体に麻痺が起こる病気を患った白瀬さん。一時はICUにも入ったが、幸い一命をとりとめた。現在は後遺症が残っていないが、リハビリ中は思うように身体が動かず、心に大きな傷を負った。この経験から、障害を理由にやりたいことをあきらめている人を支援したいと考えるように。



 6年前から介護系の資格を取得。デイサービスにも勤務するが、時間内に世話をすることがやっとで、利用者の要望に寄り添えない現実を目の当たりにする。そこで「障害があっても、いきいきとできる場を作りたい」と一念発起。幼い頃から好きだった絵を生かして、3年前の退職と同時に区内のコミュニティカフェでアートサークルを開催してきた。



 その後は参加者からの要望に応えるため、介護や認知症予防、子どもの感性教育に有効とされる芸術療法の臨床美術の資格も取得。しかし、この1年は緊急事態宣言によるカフェの休業もあり、思うように活動が行えずにいた。その中で同様にコロナ禍で活動に制限がかかっていたぴぐまりおん代表の久保川有紀さんから声がかかり、同所の場所を借りて毎月活動を行える環境が整った。



「作る過程が大事」



 8日に行われた初回の参加者からは「作っている間は時間の流れが速く感じた。作品が完成するまでが何より楽しい」と声が上がった。白瀬さんは、「難しいことをするのではなく、純粋に作ることを楽しんで、前向きさや挑戦する気持ちを引き出すきっかけを作りたい。障害があっても、自信を持てるよう手伝いができれば」と話している。(問)白瀬さん【メール】ayano_atelier@yahoo.co.jp

 

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