戸塚区社会福祉協議会の会長に 就任した 大副(おおぞえ) 祥一さん 品濃町在住 79歳
『助けて』と言える社会に
○…「地域福祉を推進する社協の認知度を高め、気軽に相談に寄ってもらえるような場、組織にできれば」。先月会長職に就任。現在は職員とコミュニケーションを図りながら、取り組む事業の確認などの把握に努める。「コロナにより、人との接触が減り、福祉活動は低調化した。だからこそ、やるべきことが多い」と力を込める。
○…満州国生まれ。亡父の実家・東京に引き揚げたのち、小学4年で福岡県・小倉へ。この地が人格形成に決定的に影響を与えた。「気性の激しい町。でも人情味にあふれていてね」。高校時代は応援団に所属し、リーダーとして後輩の育成に青春を賭けた。「厳しいながらも、愛情を注ぐと人はグンと成長します」。卒業後、大手建設企業に就職。以後、転勤族として国内はもちろん、中東・クウェートに配属されたことも。全身全霊で仕事に向かった結果、管理職に抜擢され、定年まで第一線でキャリアを積み上げ続けた。
○…第二の人生からは180度方向転換。東戸塚エリアの民生委員・児童委員に就任し、汗をかく日々を送る。「多くの人と出会い、感謝された。素晴らしい体験でした。私の福祉の原点」。78歳で定年を迎え、これからの人生を見直すため、一人四国遍路八十八カ所を回った。そして今年、一息つく間もなく待っていたのは、区社協会長職への要請だった。
○…区内18ある地区社協と連携しながら、いままで以上に住民が安心して暮らせる街にしていきたいという。「困ったときに『助けて』と、お互に言い合える社会にしたいよね」と根底にある熱い思いを吐露する。ふっと、柔らかい顔となり、「高校に入学したばかりの三つ子の孫が可愛いくて。成長が楽しみ」と満面の笑みを見せた。
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4月18日