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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2021.09.02

定年後から作家として活動する
小貫 和也さん
汲沢在住 82歳

反骨の「水戸っぽ」

 ○…60歳で銀行を定年退職した後から本格的に執筆活動を始め、20余年の間に世に出した本は7冊。処女作の児童文学「王家のカラス」から歴史小説「香梅の門」、自身の趣味を紹介する「十の楽しみ、一つの悩み」など、ジャンルは幅広い。「自分から仕掛けなければ何も生まれない。その思いで文学賞に応募し、出版社に原稿を持ち込んだ」。終始穏やかな表情を崩さないが、眼光はキラリと鋭い。

 ○…午前中は散歩、水泳でみっちり体を動かし、妻手作りの昼食を終えた後、自宅書斎で日課の原稿作りに励む。「2時間ほど、パソコンのキーを叩き続ける。小説は筋書きが腹の中にあり、それを文字に起こしていく。1作1年はかかる」。幼い頃からの読書好き。高校ではロシアの文豪・ドストエフスキーの研究会に所属するほど熱を入れた。「小説家になりたかったんです」。文筆に対する思いは筋金入りで、「日常雑感」という非公表のブログもせっせと続ける。「社会情勢批評、自分の子どもや孫のことなど、印象深い出来事を記している」

 ○…茨木県水戸生まれ。この地で過ごした青春時代が自身の性格に色濃く反映されている。「歴史的に水戸の人は反骨精神が旺盛。俗に『水戸っぽ』と言いますが、私にはその要素が多分にある」。現役時代、仕事に納得がいかなければ、上役とぶつかることも厭わなかったという。

 ○…自著にあるように多趣味で、特に水泳はマスターズ世界トップテンにランクされた腕前。自宅近くの宇田川の環境保全活動にも近隣住民とともに力を注ぐ。「定年後、私はやりたいことをやり、作家としても書きたいことを書き切った」。欠けた部分がない、満月のような満ち足りた笑顔を見せた。

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