「かながわ感動介護大賞」の優秀賞を受賞した 大石 勝己さん 川上町在住 79歳
介護通じ「優しい男」へ
○…7年ほど前に突如として始まった妻の介護。周囲のサポートを受けながら培った知見をまとめ、県主催の「かながわ感動介護大賞」へ応募したところ、見事優秀賞を獲得した。タイトルは『オムツ替え〜開眼』。延々と繰り返すオムツ替えを嫌々するのではなく”気持ちの良い新しいものに”と考えることで、介護が辛くなくなるというエピソードだ。「賞をもらえて本当にうれしい」と声を弾ませる。
○…認知症と左半身不随の妻を自宅で介護し始めた頃は、「料理も作れない自分にはできない」と考えたが、娘と息子のサポートがあり挑戦を決意。しかし介護を周囲に告げられず、親族にも秘密にしており、一日5、6回のオムツ替えや食事作りの日々に「このまま続けば大変なことになる」と限界を感じるように。転機は4年ほど前。思い切って地域ケアプラザに相談すると、デイサービス利用や介護者の集いなどに参加できるようになった。「これでずいぶん気が楽になった。ケアマネさんも本当に親身になってくれ、負担も軽減されました」
○…現役時代は飛行機整備士として羽田を拠点に活躍。職人気質の性格で黙々と一人で仕事に取り組み、盆正月もなく「家族を顧みなかった」と振り返る。だからこそ介護開始時に「東京で働いていた息子がこちらに拠点を移してまでサポートしてくれたことがうれしかった」としみじみ。
○…今回の経験を機に、地域活動に積極的に参加し始めた。「人と関わらなかった現役時代の自分が見たら驚く」とおどけ、いまの楽しみは舞岡公園での米作りボランティアへの参加だ。「介護を通じて視野が広がり地域にも広がり、人と話すのが楽しくなった。妻が俺を”優しい男”にしてくれたのかなあ」
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4月18日