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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2022.10.13

「第4回ヘルスケアベンチャー大賞」個人部門ファイナリストとして最終審査に挑む
岡崎 裕さん
横浜薬科大学准教授 64歳

技術のその先、健康へ

 ○…厚労省・日本医師会などが後援の抗加齢に関する事業計画やアイデアを募る「ヘルスケアベンチャー大賞」。横浜薬科大学の准教授として個人部門ファイナリストに選出され、10月21日に最終審査に挑む。提出したのは、手首の脈を独自の計算法で測定する個人用装置。「軽い気持ちで出したら、まさか通るとは。研究の成果を評価してくれ、感謝です」

 ○…薬科大では現代社会で必須なITの基礎・情報学を通年で教える。今回提出したのは3年前に国際学会で発表・採択された改良版だ。「古来より脈診は医学で重要視されてきた。一方でその測定装置は大規模なものしかなかった」。そこで一人でも測定可能な手首に巻くバンド型の装置を開発。スマートウォッチとは異なり手首の内側(橈骨(とうこつ))で脈を測定し、共同開発のアプリで動脈硬化度や自律神経バランスを”見える化”する。「前職の関係できっかけとなる検知器を紹介された。これまであまり研究をしてこなかったから」と始めたテーマは、いまや大きな広がりを見せ、大学や薬局チェーンなどに試験導入するまでに。

 ○…「音楽好きの技術者」としてソニーで長年にわたり活躍。40代で起業し、同時に知り合いの推薦で06年開学の横浜薬科大へ。教え子は約7000人にのぼり、戸塚への思いもひとしお。ドリームハイツなど近隣住民とも顔なじみで「今回取材を受けたのもみんなが喜んでくれると思ったから」と笑みをこぼす。

 ○…「作って終わりでなく、その先の解決策がないと」ときっぱり。だからこそ最終審査では体を動かすことの重要性も伝えるつもりだ。「健康なら何歳でも新しいことができる」。全国の中高年の元気を支えるべく、個人が利用し、健康をめざせる装置普及を急ぐ。

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