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公開日:2022.12.15

戸塚消防組半纏など
歴博通じ市に寄贈へ
戸塚町、山口家の所蔵品

  • 左から小林さん、刈田副館長、山口秀利さん、岡本直喜さん、坂間さん

 今年春に見つかった昭和初期の消防服が12月7日、横浜市歴史博物館(都筑区)が価値が高いと判断したことから、同館に預けられた。今後博物館の調査後に市に寄贈される予定で、持ち主の山口道子さん(戸塚町在住/96)は「ずっと大事にしていたものが保管されることになりよかった」と話している。

 寄贈されるのは昭和初期に活動していた戸塚消防団の前身「戸塚消防組」の半纏と組頭半纏、防火服の「刺子」長着、頭巾の4点。歴史博物館の学芸員、小林光一郎さんは、「数十万点の資料を保管している当博物館でも、消防組のものはごくわずかしかない。とくに団長にあたる組頭の半纏は非常に珍しく、状態もとても良い」と太鼓判を押す。

75年間にわたり保管

 今年春、道子さんが吉田町内会長で消防団員でもある坂間庄二さんに「昔の消防服があるので譲りたい」と申し出たことがきっかけ。坂間さんは「軽い気持ちで引き受けたら、とても歴史的価値が高そうなもので驚いた」と振り返り、以来しかるべき保管先を探してきた。そういた中で行き着いたのが、今回の歴史博物館だった。連絡をすると二つ返事で実物を確認、寄贈の手続きに向けて動き出したという。刈田均副館長は「戸塚の歴史を背負ったもので、市の宝として大切に未来へとつなげていきたい」と話す。

 母親の代わりに当日訪れた山口秀利さんは「寄贈した4点は母からみて義父の喜太郎が使用していたもの。母は75年にわたり預かっており、これで一つの区切りがついたのでは」と語り、感謝を伝えた。坂間さんは「保管先を探し回る中で、喜太郎さんが私の肩をそっと押してくれた気もした。こうした形で収まることができよかった」と満足そうに語った。消防服は今後寄贈手続きが終わり次第、博物館の収蔵庫に保管される。

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