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公開日:2023.04.20
舞岡公園管理NPO
30周年で冊子作成
「谷戸の風景・自然 知って」
昔ながらの田園風景がいまなお多く残されている、28・5haもの広さの舞岡公園。昨年度開園30周年の節目に合わせ、古民家施設などを管理するNPO法人が4月、公園の魅力を紹介する冊子を作成・販売を開始した。担当者は「よくある記念誌の堅苦しいものではなく、気軽に手にしてもらえるものを目指した。まずは魅力を知ってほしい」と呼びかける。
冊子はA4判、全41頁・フルカラー(300円)。「ようこそ舞岡公園へ」と題し、公園の歴史から公園内の生き物の写真、体験イベントやボランティア活動などが紹介されている。小谷戸の里事務所で販売中だ。
発行したのは認定NPO法人舞岡・やとひと未来。同公園のうち10haほどを市から「自然体験施設・文化体験施設」として指定を受け管理している。
市民参画の歴史
横浜市は1970年に同敷地を市街化調整区域に指定。82年に「舞岡公園」として計画・整備を開始した。当初は「総合公園」という一般的なスポーツ公園などの扱いで、芝生、植込みがあるなど現在の姿とはほど遠いものだったという。
83年、横浜の原風景ともいえる谷「谷戸」の風景や里山の自然を残していきたいと、「市民が自然とふれあい、農体験ができる場に」と市民団体が設立。現在の同法人の前身となり、当時問題となっていた不法投棄の片付けや雑木林の手入れ、水田の維持などをしたいと市に要望し、当時としては画期的な行政への市民参画が実現。93年、数多くの水源が保全され田んぼが整備された「小谷戸の里」が誕生した。品濃町から移築された明治後期建築の古民家管理なども地域住民が担う、現在の形が続いている。
現在法人会員は30人ほど、ボランティア登録者数は400家族ほどにも上る。田んぼ・農芸体験のほか、案山子まつりなどのイベントを通じ、市民に自然と触れ合う大切さを伝え続けている。
今回作成した冊子はそうした活動の記録に加え、舞岡公園で四季を通じて観察できる多様な生き物たちを写真付きで紹介。ほぼすべてが法人職員による撮影で、マップやイラストなども手掛けた。安田さやか事務局長は「1年ほど前から準備を進めてきた。あいさつ文などは一切なく、舞岡公園の魅力をどこからでも伝えられるような仕上がり」と満足そうに話す。「他では見られない多くの生き物や里山の自然が残っており、集った人の活動がなによりの魅力。ぜひ手に取ってもらえたら」
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