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公開日:2023.06.29

上倉田町のマンション
水害対策などで評価
市の認定制度で選出

  • 認定証を手にする佐藤隊長ら自衛防災隊のメンバー(一部)。発電機やボールライトなど少しずつ備品を増やしてきた

 上倉田町のマンション・戸塚ハイライズ(1984年竣工。地上11階・4棟全400戸)が、防災対策に取り組むマンションを横浜市が認定する「よこはま防災力向上マンション認定制度」(*)の「ソフト認定」を取得し、このほど市から認定証が授与された。

 認定基準は、防災に対応する組織やマニュアル、訓練活動などの対策をする「ソフト認定」、耐震性、浸水対策、防災倉庫など建物全体の対策を実施する「ハード認定」に分かれている。

 戸塚ハイライズが評価されたのは、「防災組織」「防災マニュアル」「飲料水などの備蓄」「防災資機材の備蓄」「防災訓練」が整備・実施されている点。今回住民は「ソフト認定」に向けて1年がかりでマニュアル作りなどに取り組んできた。

 防災組織は、管理組合と自治会が共同して「防災協議会」を2018年に設置。その下部組織として「自衛防災隊」も設ける。同隊は、任期のない自主隊員65人と、任期のある管理組合・自治会の役員33人と合わせて100人近くで組織されている。

 防災資機材の備蓄は、2015年頃から徐々に増やしており、現時点ではカセットボンベで起動する発電機や、360度を照らす高さ約2mのボールライトなどの大型備品を配備。このほか携帯トイレの用意を各戸に促し、300世帯以上で備蓄されている。

柏尾川の氾濫想定

 今回の認定に向け、ゼロからのスタートとなったのが水害時の防災マニュアル作成だ。参考にしたのが区の洪水ハザードマップ。想定し得る最大規模の降雨(24時間で632ミリ)があり、柏尾川が氾濫した場合、戸塚ハイライズの浸水レベルは2階部分に相当する3〜5mとされる。

 マニュアルでは、床面高さ4・4mに位置する受変電設備が浸水し、全棟が停電することを想定。柏尾川元町橋の定点カメラがとらえた避難判断水位に達した段階で、災害対策本部を設置するなど、具体的なタイムラインが定められた。

 自衛防災隊副隊長の大石六治さんが市建築局担当者とやりとりを重ね、マニュアル作りが進められた。隊長の佐藤剛さんは今回の認定を受け「実際に柏尾川が氾濫した時の具体的な避難基準ができ、マニュアルを作ることで沢山の知識を得られた。住民の命にかかわること。評価してらって嬉しい」と話した。

 今後は、春の全戸訪問型の安否確認訓練、秋の消火訓練を継続するほか、各戸の状況に応じたタイムラインの作成や、家具転倒防止器具の取り付け支援制度の活用などを目指していくという。

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