戻る

戸塚区・泉区 トップニュース社会

公開日:2023.09.07

特定健診
区、受診率アップに対策
推奨チラシを工夫

 戸塚区は、40から74歳までの国民健康保険加入者を対象にした、特定健診受診率を向上させるため、新たに受診推奨チラシ、健診の案内を印刷したクリアファイルを9月に作成、10月から配布を開始する。区民の健康維持・改善を一層推進するための措置。

 「土日でも受けられる」「退職してから毎年受けています」

 今回区が新たに取組むのは、こうした文言とイラストをあしらったチラシの作成だ。区職員が「少しでも受診率を上げよう」との思いでアイデア出しをし、形にしたもの。併せてクリアファイルも作成し、新たに同保険に加入する人を対象に地域のイベントなどで配布する方針だ。

 区担当者は「今回、チラシ作成に『ナッジ』という、行動経済学を採用した。環境を整えることで、本人や社会にとって望ましい行動を後押しする、人間の思考の癖を活用する手法。これまでより一歩踏み込んだ内容になっている」と語る。

市平均3割満たず

 自営業者や職場の健康保険未加入者などを対象とする国民健康保険。加入者は年1回、特定健診で血圧や血液検査などを無料で受けられる。メリットは、肥満や高血糖、高血圧、脂質異常などの生活習慣病の早期発見ができること。結果、眼底出血、脳卒中や腎臓病、大動脈解離といった生活機能の低下を招き、命の危険にかかわる病気を未然に防げる可能性が高まる。

 戸塚区の受診率は、2021年度は27・1%(9155人)で市内18区中1位。最下位は南区の22・5%だった。市平均は24・7%で、対象者の3割に満たないのが現状だ。戸塚区内在住で60代の同保険加入者は「受けた方が良いことはよく分かっているが、つい忙しくて見送ってしまう」と話している。

 国民医療費の負担は膨らんでいる。厚生労働省のデータによると、1985年度は16兆159億円(一人当たり13万2300円)だったのが、2019年度には44兆3895億円(一人当たり35万1800円)と、この30年余りで、支出は約3倍近くになっている。

 「特定健診は、自己負担はゼロ。区内77カ所で健診が受けられる。現在受けた人には抽選でギフト券があたるキャンペーンも実施している。検討を」と区担当者は呼びかける。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

戸塚区・泉区 トップニュースの新着記事

戸塚区・泉区 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS