戸塚区・泉区 人物風土記
公開日：2023.09.14
戸塚区社会福祉協議会会長に就任した
西村 邦夫さん
戸塚町在住 83歳
街作りは化学と同じ
○…戸塚区社会福祉協議会の会長に就任。10年間、戸塚第二地区社協の会長を務めるなど、地域活動に長年携わってきた手腕を買われた形だ。自身も２人の子どもを育て、地域の児童が成長する姿も見守ってきた経験から「子どもたちにとって地元は大切。楽しいと思える街を作る」と意気込む。
○…小学校２年時に戸塚へ移り住んだ。慶應義塾大学では応用化学を専攻。化学の道へ進んだきっかけは中学生の時に目にした湯川秀樹氏のノーベル賞受賞だという。卒業後は研究者として総合化学企業に就職し、多方面の研究開発に従事した。定年後、自治会の活動に積極的に参加するようになる。戸塚駅周辺の再開発に揺れた時期、地域住民や商店と行政の間に立ち、理想の街の姿を探った。「街作りと化学の研究開発には共通点がある。お客さんが喜ぶ製品を作ることと、住人が喜ぶ街を作ること。どちらも同じように進められる」
○…趣味は定年後に始めた海外旅行。出発の数カ月前から、その地の歴史や文化について調べ、帰国後には写真付きの旅行記をまとめる。これまで約20か国を訪問しているという。エジプトなど異文化に触れた感想を「世界が違うようだった」と少年のように目を輝かせる。「街を見るのが好き。また、それが戸塚を考える時の参考になる」と各地での体験を街作りに生かしている。
○…「生活弱者を救う」と会長としての目標を明確に掲げる。課題は自治会、町内会に参加する世帯が減少し、それらを経由した情報が届きづらくなっていること。そこでＳＮＳなどを活用しながら、幅広く情報を発信していく考えだ。「皆が住みたいと思える楽しい戸塚にしたい」と抱負を語った。
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