戸塚警察署主催の「特殊詐欺撲滅学生シンポジウム」が2月27日、上倉田町のフォーラムで開催された。同署の特殊詐欺対策に協力した中学生・大学生が主体となり、これまでの取り組み紹介や今後の被害防止策などについて意見交換を行い、議論を深めた。
戸塚警察署は2023年、特殊詐欺撲滅のため区内教育機関や企業などと共同で、対策を進めてきた。結果、22年と比較して、23年の被害件数は約4割減、被害額半減という成果を上げた。
しかし、依然として多くの人が被害に遭う現状を踏まえ、取り組みの定着化と持続化を目的にシンポジウムを企画。同署とさまざまな活動を行ってきた神奈川大学、産業能率大学のゼミ生と区内4校の中学生が中心となり、取り組んだ啓発内容を紹介。安心安全な区の未来像について、議論が交わされた。
同署によると特殊詐欺をテーマに学生が集まり、意見交換を行う機会は県内では珍しいという。
若者も被害の可能性
神大の寺嶋ゼミと産能大の武内ゼミは、同署員からの講義をきっかけに特殊詐欺に関心を持った学生が、抑止策について合同で調査研究してきた。
独自のアンケートで高齢者の4人に1人は「詐欺電話を受けたことがある」という結果が得られたことや、区内では住民同士の信頼が強く、詐欺を疑いづらい傾向にあることなどを報告した。また、学生からは「被害に遭いやすい高齢者自身が主体となる啓発活動が有効なのでは」と対策方法も発表された。
さらに、区内4校の中学生とビデオレターで参加した小学生・高校生もこれまでの取り組みを振り返り、「一人で声がけするのには限界がある。地域の協力が大切」「若い人も詐欺に遭うかもしれないという意識を持つべき」などの意見が上がった。
議論をもとに、両大学から特殊詐欺対策に関する議定書が同署に贈られた。村上滋敏署長は「今年のテーマは区民が真に安心を実感できる地域の形成。住民同士のきずなの強さを生かして詐欺撲滅を目指す」と意気込みを語った。
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