新宿の京王プラザホテルで日本画の個展を開催する 鶴巻 謙郎さん 小雀町在住 51歳
目に映る世界に彩りを
○…日本画家として25年以上活動を続ける。印象派の画面全体を包む光の表現と鮮やかな色彩が持ち味。12月1日から10日まで新宿の京王プラザホテルで個展を開催する。目玉は全幅約8メートルに及ぶ『PORTA横濱三塔』。横浜駅前の人々が行き交う風景が描かれる。岩絵の具を使うなど日本画のメソッドを取り入れつつも、「あえて下絵を描かない」手法で伝統に縛られない独自の世界観を追い求める。
○…新潟県出身。祖父は人形作家、両親は彫刻家という芸術一家で育つ。幼少期から絵を描くことが好きで、小学校の卒業時には恩師にむけて当時好きだった『ドラゴンボール』のキャラクターを描いた色紙を贈った。昨年のグループ展にその恩師が来場し「君が持っていた方がいい」と当時の色紙を手渡された時には感慨深かったという。「ずっと取っておいてくれてうれしかった」と目を細める。
○…墨の濃淡で世界を表現する雪舟の技法に憧れ、日本画を志した。多摩美術大学進学後は「個性」と「自分の持ち味」の追求に没頭。暗い色使いで、自分の中に秘められた葛藤を表現してきた。大学卒業後はゲームクリエイターを養成する専門学校でデッサンの講師を務める傍ら、絵を描き続けた。今のような色鮮やかな風景画に辿りついたのは結婚し、家庭をもったあとだという。当時を振り返り「生活する環境が変わったことで見える世界が広がりましたね」。
○…現在は戸塚駅近くの有隣堂カルチャーセンターをはじめ、市内各所で絵画教室を開いている。これからの目標は様々な国を巡り「世界を描く」こと。特にプラハの歴史ある町並みを描いてみたいという。これからもスケッチブックを手に街を彩っていく。
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