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戸塚区・泉区 コラム

公開日:2025.09.25

セカンドシーズン 連載【9】
介護の「本質」考えてみませんか
「認知症に関して【4】続々・認知症のイメージ」

 【1】で書きましたが、現代はインターネット社会となり様々な情報を得ることができます。

 例えば、アルツハイマー型認知症になると3年後には寝たきりになり、「5〜8年で寿命を迎える」「突然何もわからなくなる・できなくなる」「暴言・暴力・徘徊と拒否行為等で周囲に迷惑をかける」「身の回りのことができなくなる」などと書かれています。これでは、単に本人さんの「人格を否定」をしているだけで負のイメージとして残っていくと思います。

 しかし、本当にそうなのでしょうか?このイメージは「認知症を発症していない周りの方々が作っている」ように強く感じます。

 介護事業所を運営し14年目で、40歳代〜100歳を超える本人さんたちと共に歩んでいます。出会ってから10年以上歩ませていただいている方も多くいらっしゃいますが、イメージに該当される方はいらっしゃいません。

 また、診断されると「認知症だから」一人で留守番をさせられない、一人暮らしは危ないと言われることもありますが、日中一人で生活されている方や一人暮らしを続けている方も多くいらっしゃいます。以前も書きましたが、認知症はいきなり重度の症状が出るのではありません。※発症原因により例外はあります。

 したがって、初期の段階で「一日でも早く望ましいかかわりのある生活」に出会えることが大切です。現在のところ、認知症は治らない病気と言われ、進行してしまう脳の病気ですので「少しでも長く初期の状態での生活ができるように物的環境と人的環境を整えていく」ことにより、ネットの情報は本当に正しいのか?と疑問に変わるはずです。

 ただし、ここには老化(加齢)による機能低下も関係してきます。機能低下は身体機能だけに目が向きがちですが、当然脳機能も低下していきます。

 そのため、脳の病気と機能低下の2つが進行していかないようにかかわれることが必要になっていきます。

 ご家族として・専門職としてのかかわりには違いがありますが、「人と人のかかわり」には全く違いはありません。

 「認知症の人」ではなく「認知症のある○○さん」とひとりの人として向き合い、望ましくない情報を変えていく必要があると思っています。

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