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港南区・栄区版 公開:2011年2月3日 エリアトップへ

更生保護法人「まこと寮」の理事長を務める 石渡清元(きよはる)さん 南区在住 70歳

公開:2011年2月3日

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”おかえり”の温もり

 ○…頼るべき身寄りや帰る家がない元受刑者らに住居や食事を提供し、社会復帰のために就職支援を行っている更生保護施設「まこと寮」―。「決して社会の光があたる職場ではないが、職員は24時間体制で勤務し、寮生が二度と犯罪に手を染めないように生活指導から精神的なサポートまで頑張っている」。本当の家族のごとく親身になって励む日頃の活動が評価され、昨年末には天皇陛下から御下賜金を伝達された。

 ○…神奈川県議会議員だった昭和54年に、当時の理事長から依頼を受けて理事に就任。以来、「それまで関わりのなかった世界」に30年以上携わり、出所後に実の家族からも受け入れを拒否される元受刑者の姿を幾度も目にしてきた。「非常に気の毒。すべての人が才能に恵まれているわけでないし、誰にでも罪を犯してしまう可能性はある」としたうえで、「社会全体で更生を支えようとする姿勢が大切」と訴える。

 ○…”前科者”という世間からの偏見もあるなか、独り立ちを目指して毎日懸命に仕事場で汗を流す寮生にとって、寮内で年末に開催される餅つき大会は大きな楽しみの1つだ。つきたての餅や港南区更生保護女性会がふるまう料理に、「言葉には出さないけれど、彼らの目には嬉しさがいっぱいあふれている。寮生のなかには、恵まれない家庭環境で育った者も少なくない。だからこそ、家庭の味や温もりに幸せを感じているのだと思う」と、感慨深い面持ちで語る。

 ○…犯罪は許されるべきものではないが、過去を反省し、もう一度社会復帰しようとする者の可能性を閉ざしてはならないと強く願う。餅つき大会を素直に心待ちにする寮生の姿を見るにつけ、「人間の本質は何も変わらない。誰もが人の優しさに飢えている」と感じる。「温かく迎え、更生のチャンスを与えられる社会になってほしい」。理想は、「おかえりなさい」の言葉に込められた温もりだ。
 

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