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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2011.07.21

港南区剣道大会を主催する港南区剣道連盟の会長
大久保 文雄さん
野庭町在住 70歳

剣道で培う心の強さ



 ○…「剣は心なり、心正しからざれば、剣又正しからず。剣を学ばんと欲すれば、先ず心より学ぶべし」。幕末の剣客、島田虎之助の言葉だ。剣道を学ぶことで強い心を養い、人間的に成長をしてほしい。この思いを胸に港南区剣道連盟の会長に昨年就任。7月31日には320人の剣士が出場する港南区剣道大会を控え、準備に余念がない。



 ○…生まれは茨城県猿島郡。剣道との出会いは高校の部活動だったが、すぐに魅了され、3年時にはインターハイに出場するまでに。卒業後は神奈川県警察の剣道特別訓練生1期生として採用され、剣道の稽古と各警察署での指導に情熱を燃やす。警察学校で剣道の教官を務めていた時は「厳しく指導した」と思い返すが、警察官の卵にとって、それは恐ろしい鬼教官だったことは想像に難くない。「警察官は弱い人間には務まりません。心も体も」。命が危険になることもある警察官だからこそ、一人前に育てなければという親心だった。



 ○…剣道に対し、厳しい姿勢に揺るぎはないが、家に帰れば大変な愛妻家。外出は常に夫婦一緒だという。夫人の手ほどきを受けながらだが、ミシンで竹刀袋や防具袋などを製作する意外な一面も。最近は孫も剣道をしていることが嬉しく、親子三代で防具を付けて撮った写真は宝物。孫の話をしている時ばかりは優しいおじいちゃんの顔を見せる。



 ○…50年以上にわたって熱意を持ち続ける剣道だが、一番の魅力を尋ねると、「心が強くなる」と一言。厳しい礼儀と厳しい稽古で身に付けた心の強さは自分の人生を裏切らなかった。「自分も辛い時、落ち込んだ時がたくさんあった」と半生を語るが、その都度、前を向けたのも剣道で培った心の強さがあったからに他ならない。現在は上永谷中学校剣道部などで子ども達の指導を続けるほか、後進の指導者や審判員の育成に力を入れる。すべては次世代に剣道の魅力とそれで得る「心の強さ」を伝えるために。

 

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