大和 コラム
公開日:2026.06.05
徒然想 連載339 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
今月は慎みのないことは悪いことと知れ。貪り、不正とのゆえに、汝が長く苦しむことのないように、です。
出典はインド、原始仏典『ダンマパダ』二四八。
原始仏典の説く教えはいつも当たり前のことで「言い得て妙」と言わざるを得ないのですが、必ず二つの言葉「そんなことできないじゃないか」という不満と、「自分だけそんなことをしなくてももっと要領良く上手くやっている人だっている」という強い開き直りが出てきます。
社会的に責任ある立場にいながら収賄し、それが発覚して一生を棒に振る人が後を絶たない。まさに「貪りと不正とのゆえに長く苦しむ」実例です。しかし、悪いことと知りながら「バレなければ...」という暗い心の奥底の声まで否定しきれる人間は少ないのではないでしょうか。
その声に従って不正をなし、没落する者は愚かであり、心に浮かんだ衝動を直ぐに反省し、実行しないのが人間の良心であり、良識です。実際に悪事をはたらいてしまう人間との差は大きいのです。それなのに、問題によっては相反する両者の差は紙一重に感じられる。良心の問題として、自分を戒めていきたいものです。
桃蹊庵主 合掌
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