新型コロナウイルスの影響が地元の飲食店を直撃している。例年なら歓送迎会シーズンとなる年度変わりの時期だが、外出自粛が呼びかけられる中で予約キャンセルや客数減少が売上げに直接影響を及ぼしている。一部店舗は持ち帰り弁当や配達といった新たなサービスを始め、手探りの状況が続いている。
「3月まではまだなんとかなっていたけれど、毎週末に外出自粛で先行きも見えないとなるとやはり厳しい」。そう話すのは港南区飲食店組合の組合長を務める西尾三千代さん。自身も港南台駅近くでスナックを営んでいるが、特に宴会など団体利用が中心の店ほど影響が大きいと話す。
融資などの支援についても組合員から相談を受けるが、いつ返せる状況になるか見込めない中で借入するのをためらう店主が少なくないという。
営業自体に悩みも
上大岡駅近くのある日本料理店は、通常であれば宴会利用を中心にぎわい、団体の会合などでも利用されることが多いが、この春はキャンセルが続いていると明かす。同店の男性は「一番の問題は、この自粛ムードの中で集客を呼びかけるわけにもいかないことの難しさ」という。
また港南台のラーメン店店主も「そもそも営業すること自体が厳密には外出を促すことにつながると思うと苦しい。しかし生活もあるので悩ましい」と苦しい心情を吐露する。
そんな中で新たなサービスを試みる飲食店の動きもある。丸山台いちょう坂商店街では日本料理店やカフェなどがテイクアウトを開始しているという。また事務局を兼ねる「いちょう坂カフェ」では2日から、人気メニューの「からあげサンド」の持ち帰り用販売を試験的に開始した。来店客の減少に対応するねらいがあるものの価格は通常より安く、同店を運営する葵俊亮さんは「学校も休校になるなど、自宅での食事の機会が増える中でバリエーションに困っている家庭もあるはず。その一つの選択肢になれれば」と語る。
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