終戦から76年が経過―。戦争体験者の高齢化が進み、語り部も少なくなってきた。戦争を知らない次世代にどのように伝えていくのか。本紙では港南区、栄区の地元で「戦争」などについて学べる施設を取材した。
かながわ平和祈念館
上大岡駅から歩いていくことのできるかながわ平和祈念館(港南区大久保1丁目8の10)は、戦後50年の節目にあたり従来の神奈川県戦没者慰霊堂附属会館を建替え、整備された施設だ。
戦争体験を風化させず次世代に伝えるため、遺品展示ホールや戦争体験談中心の図書などの閲覧が可能。ホール内には戦没者の遺品やその「いわれ」、母にあてた遺言書、硫黄島で発見された鉄かぶとの破片、写真など200余点が展示されている。また、語り継ぐ戦争体験という手記の中には「愚かな人間の殺人ゲームだ」「爆弾抱えて体当たりの訓練」などタイトルだけで戦争の凄惨さが伝わってくる。さらに、「戦争の不条理さ」を映像で観ることができるビデオルームもある。展示ホールは午前9時から午後4時半。
祈念館から歩いて数分の場所に神奈川県戦没者慰霊堂(港南区最戸)もあり、見晴らしの良い高台からはみなとみらいや上大岡が一望できる。
あーすぷらざ国際平和展示室
本郷台駅徒歩3分の神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)の国際平和展示室では、戦争や平和、国際社会への理解などを学ぶことができる(※展示室観覧料「小中学生100円」「大人400円」など)。展示室は戦争の足取りがわかる年表や戦時下の暮らしを物語る数々の資料、世界の戦争・紛争の状況に加え、世界が抱える環境問題や国際協力についてなども学ぶこことが可能だ。展示室は現在、コロナ禍のためWEB予約制。詳細はあーすぷらざ【電話】045・896・2121へ。
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