中区で設立したNPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐの代表理事を務める 田上 幸治さん 保土ケ谷区在住 50歳
虐待被害児へ優しい環境を
○…虐待を受けた子どもは複数の機関を訪れ、何度も被害状況を説明しなければならない―。こうした子どもの負担を減らし、被害の回復へ繋げる取り組みを進めるためにこのほど、中区でNPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐを立ち上げた。全国から子どもの虐待に関わる有識者を集め、研究や周知を進めながら、多機関連携の素地をつくっていく。「子どもたちが優しい環境だと思えるような体制づくりをしていきたい」
○…大阪の出身。両親は建築会社を営んでおり、職人たちが行き交うにぎやかな環境で育つ。京都大学の農学部に進学。「社会の役に立ちたい」と障害児の学童保育で始めたボランティアが大きな転機となる。
○…決心したのは大学3年。「より身近なところで障害がある子どもの力になりたい」と強い気持ちが芽生え、小児科医を目指して和歌山県立医科大学へ転じた。卒業して4年後に小児神経をより先進的な医療機関で研鑽するため、神奈川へ住まいを移し、神奈川県立こども医療センターなど複数の医療機関を経験。10年前に同センターに戻ると、医療機関向けに子どもの虐待対応に向けたプログラムづくりに携わる機会があり、子どもの虐待と向き合うきっかけに。関係機関を集め、勉強会などを行うなかで児童相談所の嘱託弁護士の経験を持つ飛田桂弁護士と出会い同法人を設立した。
○…妻と娘2人の4人家族。最近は小学生の娘たちと一緒に夕飯をつくるのが楽しみだ。高校・大学はラグビーに熱中したスポーツマンの一面も。「組織で動くための協調性などはラグビーが活きている」と頷く。虐待対応の受け皿が少ない日本で立ち上がった新しい「かたち」。多機関連携を軸に子どもたちを守る体制づくりを進めていく。
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