今春、復刻した絵本『赤い靴』の原作者 松永 春さん 中区山下町在勤 91歳
絵本『赤い靴』も後世に
○…誰もが耳にしたことがある童謡『赤い靴』。そのイメージは横浜を象徴するワードの一つだ。この歌をもとに制作した絵本を発刊してから30年余、今春、文や絵はそのままに縮刷版が完成した。「とってもうれしい。子どもたちにも読んでもらいたいですね」と目を細めた。
○…横浜の魅力を発信しようと1975年に童謡『赤い靴』を愛する市民の会を結成し、その4年後、山下公園に少女像設置が実現。翌80年1月の広報よこはまには、書き下ろした童話・赤い靴が掲載され、それが絵本の基になった。その後は文化事業団を立ち上げ合唱団の結成や演劇公演を行うなど活動を精力的に展開。十数年続く市民ミュージカルは、今や横浜を代表する文化活動として定着している。
○…中区出身。吉田新田の開発に携わった曾祖父を持つ生粋のハマッ子だ。市立横浜商業在学中に戦争勃発。「飛行機に乗りたい」という一心で、親に相談もせず東京の陸軍少年飛行兵学校へ。厳しい訓練を受けたが、戦況の悪化もあり「乗る飛行機がなかった」。終戦後、横浜で出会った水兵との縁で米国へ。サクラメント州立大学で学び帰国。知人の紹介を得てシルクセンターで雑貨店を始めた。「縁を感じます」と節目、節目でよい出会いに恵まれたと述懐した。
○…現在は金沢区で娘夫婦と暮らす。昨年11月には「ひ孫が誕生しましたよ」と笑顔満面。元気の秘訣は「常に新しいことを考えること」だという。「11月には書道展を久しぶりに開催しようと準備を進めています」と目を輝かせた。まだまだ舞台化したい構想があるという。「16あるのですが、全部やるとなったら106歳になってしまいますね」と声をあげて笑った。
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