ホテルエディット横濱で6月20日から、「選書付き宿泊プラン」の提供がスタートした=6月24日号「タウンニュース中区西区版」参照=。ホテルがある横浜市中区に本社を構える地元企業「有隣堂」とコラボした企画で、宿泊者にあわせてプロが選書した本を、宿泊中に自由に読める”体験型宿泊″が人気を集めているという。有隣堂ではこれまで選書サービスを企業向けに行ってきたが、個人に選書するのは初めてとのこと。そこで今回特別に、記者が「選書サービス」を体験させてもらった。
まずは選書カルテに記入
選書を担当するのは、有隣堂が展開する複合型書店「STORY STORY YOKOHAMA」(桜木町駅前「コレットマーレ」5F)の書店員。まずは事前に手渡された選書カルテに記入する(プラン利用者は予約時に入力)。性別と年代、興味のあるジャンルや普段書店で手に取りやすいジャンル、あとは一人で読む本、友人・家族で楽しみたい本などの利用目的を選ぶだけ。
記者は、興味のあるジャンルに「横浜、食、コミックエッセイ」のキーワードを、最後要望を書く欄には「中1の娘と一緒に読める本も選んで欲しい(最近一緒に読んでよかった本は『かがみの弧城』です)」とだけ書いて手渡す。
記者は「こんなに情報量が少なくてよいのだろうか…」と心配したが、同店の後藤恭子店長いはく「情報量が多すぎると、逆に選書の幅が狭まってしまうこともあるので、この位で十分です。最近読んだ本を記入いただけたのはよかったですね」とのこと。選書のため、同宿泊プランは10日間前までの予約が必須。プロが「自分のためだけに」本をじっくり選んでくれていると思うと、「どんな本がくるのだろう」とワクワクが止まらない。
プロの見立てに驚き
後日メールで届いた”私にぴったりの本″がこちら。【1】『寿町のひとびと』(山田清機)、【2】『昭和の店に惹かれる理由』(井川直子)、【3】『今日のガッちゃん』(益田ミリ)、【4】『8月のソーダ水』(コマツシンヤ)、【5】『時穴みみか』(藤野千夜)の5冊。
まずラインナップを見て、驚いた。全く事前情報に入れていないキーワードが入った本ばかりだったのだ。
1番最初に選書された『寿町のひとびと』はタウンニュースでも紹介した本。取材は別の記者が担当したものの、大学で社会福祉学科の地域福祉を専攻していた私は、学生時代から寿町に訪れていた。また、現在の勤務地も寿町に隣接する場所にあるため、ずっと気になっていた本だった。
そして益田ミリさんは、大好きな作家さんの1人。とりわけ著書を沢山読んでいるという訳ではないものの、益田さんのほんわかした作風が好きだったり、『47都道府県女ひとりで行ってみよう』(益田ミリ著)が、何故か私のバイブルになっていて、本を真似してよくひとり旅や娘とふたり旅をしていた。また私の”ツボキーワード″である「昭和」のタイトルがあったり、他の2冊もあらすじや絵を見て、すぐに読んでみたいと思うものばかりだった。「好きな感じだけど、自分では手に取らなかっただろうな」という絶妙なセレクトに、知的好奇心がくすぐられる。仕入れから陳列まで行っている書店員だからこそできる「プロの技」と言えるだろう。
後藤店長はコロナ禍で自宅にいる時間が多い中、本を読もうという人が増えているが、本屋に来ても何を読んでいいかわからないという声を聞くたびに「書店員として何かきっかけ作りができたらと思っていた」という。「私たちもワクワクしながら選んでいます。お店にもぜひ訪れて本を手にとってもらえたら」と話した。
今回は選書のみの体験だったが、実際のプランはその本をホテルのゆったりとしたくつろぎの空間で読めるため、じっくり本と、そして自分と向き合える特別な時間になるだろう。宿泊プランの予約・詳細はホテルエディット横濱の公式HPで。
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