2月からホテルニューグランド=中区山下町 =で「スパゲッティカルーソー」が、復刻メニューとして登場している。
「カルーソー」はアメリカ生まれのパスタ料理で、鶏のレバーとトマトをベースにニューヨークのレストランで誕生した料理。料理名は、オペラ史上で有名なテノール歌手、エンリコ・カルーソー(1873〜1921)のお気に入りだったことが由来だ。
ホテルニューグランド初代総料理長のサリー・ワイルがこのメニューを日本に持ち込み、仔牛の細切り肉とトマトベースのデミグラスソースにアレンジを加え、提供していたとされる。
その後、スパゲッティナポリタンの生みの親である2代目総料理長の入江茂忠シェフが、今のレシピに。隠し味にナポリタンソースを使っていたことが、同ホテル調理場保管の資料=写真下=でも明らかになっている。
当時のメインダイニング「スターライトグリル」で長年提供されていたが、1980年代後半の”イタ飯ブーム”で洗練されたイタリア料理のパスタが主流となり、ホテルのメニューから姿を消していた。コロナ禍で復刻メニューに焦点をあてて企画を考えていた時、当時を知るシェフから「記憶に残る味」として候補にあがったのがカルーソーだったという。発祥のナポリタンが人気を集める中「代々のシェフにより味が受け継がれたカルーソーは、まさに伝統回帰のメニュー」と宇佐神茂総料理長。
濃厚で奥深い味わいが特徴で「ビーフストロガノフのスパゲッティ版」でイメージできるほど、大きくカットされた肉がゴロゴロと乗っている。
提供は本館1階コーヒーハウス「ザ・カフェ」で2月末まで。単品 2541円。スープ、サラダ、デザート、珈琲のセットで3872円。
![]() 1962年当時入江総料理長がタイプライターで打った調理場へのメニューの指示書。「Mixed Tomato Sc」がナポリタンソースのこと
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