神奈川大学の学長に就任した 小熊 誠さん 南区在住 68歳
学生思い より良い教育に
○…神奈川大学は6年後の創立100周年へ向け改革の真っ最中。「今までは1人の教員として指導する学生との関わりが多かったが、学長になってからは面識のない学生ともコミュニケーションを取るようになった。学長であることを明かすと驚かれるけどね」と就任を機に学生に対する見方も変化している。
○…野口英世やシュバイツァーの功績に感銘を受け8歳頃から医師を志していた。横浜翠嵐高校在学中、自身が蓄膿症で入院した時に昼夜問わず働く医師を見て大変さを痛感。母に相談したところ「教師が向いてるよ」との一言を受け、新たな進路を決意した。「振り返ると歴史や、人と話すことが好きだった。母の観察眼ってすごい」
○…筑波大学大学院では主に中国民族について専攻し、神奈川大学教授も歴任した宮田登氏の助手を務めていた。ある日突然宮田氏に沖縄を題材に研究するよう勧められ、現地へ渡り沖縄の大学で20年以上教鞭を執った。「当初は理由も分からなかったが、中国を知らないと沖縄を理解できなかった。そのことに気が付いた時、宮田先生の素晴らしさを改めて知った」。研究では、国際性豊かな沖縄を通して世界各国の文化が見えることが大きな発見だった。「沖縄や横浜のように、神奈川大学も多様性に富んだ大学に発展してほしい」と期待を込める。
○…2009年からは恩師と同じく神奈川大学の教授に就任。教員として大切にしているのは、学生に寄り添うこと。時に厳しく温かく、ともに涙する場面も。その姿勢は学生の成長を促す。卒業生からは年賀状や今回の就任祝いの連絡が届いたりする。「同じように学生思いの先生が神奈川大学には多い。そんな先生を更に増やし、より良い教育をしていきたい」
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