みなとみらい本町小学校に『雨ニモマケズ』の書作品を寄贈した 吉田 博(ひろみ)さん 西区みなとみらい在住 74歳
文字で想いを伝える
○...友人のロータリークラブ会員を通じてみなとみらい本町小学校に寄贈した宮澤賢治の『雨ニモマケズ』は、2022年にそごう美術館で行われた「神奈川の書 すべてを魅せる百人」に展示された作品。コロナ禍とウクライナの情勢を受けてこの詩を選び筆をとったが、文章の深さを噛み締め「思いを込めて書いた。こんな風に生きられたら、きっと戦争は起こらないのでしょうね」と語る。
○...福島県で生まれ、20年前からみなとみらいで暮らす。多摩美術大学で染織を専攻した後、和服の図案作りを30年間続けた。書道に触れたきっかけは、趣味で通っていた茶道教室で茶会記の執筆を任されたこと。茶道の先生に背中を押され習い始めると、「図案よりも自由に書けるのが楽しかった」と没頭。日本美術展覧会で8回の入選や、18年の「神奈川書家三十人」に選出されるなど実力派だ。
○...作品作りは「雑念が浮かばないから」と、朝一番に自宅マンションのアトリエで行っている。毎回下書きはせず、ぶっつけ本番。書き直す過程で筆や墨色、紙などを納得できるものに決めていくという。1つの作品に使用する紙は約100枚。「夫には『これで好物のアップルパイがいくつ買えるだろう』って言われるんです」と苦笑をこぼす。
○...年末年始に夫と行く京都旅行が楽しみの1つ。コロナ前は年に2、3回は足を運んでいたほど。「最近は行けてないけど」とゴルフ好きな一面も。「書道をやっていると言うと色々な人が興味を持ってくれて」とはにかむ。新しいつながりからホームページのタイトルバックのデザインを任されたこともあった。「細々とでも続けられる限りはやっていく」と書家の道を歩み続ける。
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