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「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」の共同代表を務める 山本 すみ子さん 都筑区在住 85歳

公開:2024年9月5日

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山本 すみ子さん

一途に追う歴史の真相

 ○…「100年もたったのにどうして認めないのかしらね」。横浜市内で3千人以上の命が奪われたという関東大震災発生直後の朝鮮人虐殺。当時の公文書や史料を調べつつフィールドワークを重ね、真相解明に尽力してきた。「あちこちで殺されたことは明らか」。そんな中でも虐殺を認めない人は存在する。「なかったことにされると困るんです」。穏やかに、きっぱりと言い切る。

 ○…震災50周年となった30代半ば、メディアで様々なニュースが取りあげられる中、朝鮮人虐殺は横浜でもあったのかと疑問を持った。足を運んだ図書館で、司書が見せてくれたのは子どもたちの作文。寿警察署や中村橋といった地名を記し、暴力が生々しく描写されていた。「これは私たち教師が知らなければいけないこと」。そんな思いで、教員仲間と立ち上げた研究会で調査を発表するなど行動を開始した。

 ○…震災90周年の節目の年、市民の手で追悼会を行おうとわずか5人で実行委員会を立ち上げた。100周年となった昨年の追悼式には、約330人が参加。今年8月には神奈川学園中高と朝鮮学校の生徒が、虐殺があったとされる反町公園に碑を建てたいと、横浜市に要望を出した。こうした動きに「胸を打ちます」と一言。次世代に期待する眼差しは温かい。

 ○…関心を寄せ賛同する人が増える一方で、ヘイトスピーチやヘイトクライムは激しさを増したように感じる。90年代に朝鮮人虐殺を記述した中学生向けの副読本からは、約10年前に「虐殺」の2文字が消えた。「昔に比べひどくなっているよう。反省がないまま、差別が続いている」と危惧する。それでも、歴史的事実を追い求める気持ちは揺るがない。「とことんやるしかないですよね」と微笑んだ。

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