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公開日:2025.10.09

75歳以上市内高齢者
免許返納が4割増
敬老パス施策が影響か

 横浜市内における75歳以上の高齢者による運転免許証の自主返納件数が、今年8月末までの暫定値で昨年1年間合計の1・4倍以上に増加していることがわかった。横浜市が今年度から、75歳以上の自主返納者に敬老パスを3年間無料交付する事業を始めた影響があるとみられる。

 神奈川県警察によると、横浜市内における75歳以上の返納件数は2019年の8848件をピークとして、2023年には5424件まで4年連続で減少していた。しかし、2024年は5712件と増加に転じ、今年は8月末までの暫定値で8316件で、統計開始以降最多を更新するのは確実な状況だ。8月末時点返納件数は中区で223件、西区134件、南区407件。市内18区全てで、前年を上回った。

無料申請約6300人

 この背景にあるとみられるのが、横浜市が今年度から始めた敬老パスに関する新制度。今年4月1日以降に75歳以上で運転免許証を自主返納した人に3年間敬老パスを無料交付するもので、制度開始から9月3日までの申請数が約6300人だったことが横浜市への取材で分かった。

 自主返納件数が前年比プラス173件となった南区について南警察署は「南区は高齢者が多いこともあるが、敬老パスが関係しているのではないか」と話す。

 敬老パスは、70歳以上の市民を対象に、市営・民営バスや市営地下鉄などで利用できる乗車証。今年10月からは一部の地域交通も半額程度で利用できるようになった。

 パスは10月1日を基準日として有効期間は1年間。世帯所得等に応じて無料から最大2万500円の負担金がある。昨年度の交付者数は約40万人で、交付率は51%。今年度導入された3年間無償化制度は返納日から次の10月1日を基準として、3年間無料交付となる。

 所管の健康福祉局は過去の返納者数の平均から年間申請者を7千人と想定していた。担当者によると、基準日の10月1日に向けて申請増が見込まれることから「想定よりは多くなっているという認識」だという。一方で申請数の上限は設けず、条件さえ満たせば無償交付の対象と説明した。

 申請が多い状況に、ある市議は「申請者が予想外に多いということは予算切迫にもつながる。今後、財政負担の課題を注視する必要がある」と指摘する。

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