節電対策の必要性から横浜市は今夏、5月1日から衣服の軽装化などに取り組む「クールビズ」を開始した。例年は6月1日から実施しているが、昨年は東日本大震災の発生による電力不足を受け、5月9日から実施。今年はそれをさらに前倒しし、1日から行っている。期間は10月31日(水)まで。
クールビズとは暑い夏の間、仕事上の衣服を軽装化し、冷房時の室温を28度に設定することで節電に取り組むもの。一般的には2005年夏から開始されたが、横浜市は全国に先駆け2002年から実施している。
国は今夏の節電対策として、環境省が率先し5月1日からクールビズを開始。横浜市の取り組みもこの動きを受けたもの。
「輪番休館」実施せず
市は今夏、クールビズに伴い、冷房温度の28度設定や使用していない事務用機器の電源をオフにすることなどで節電を始めた。一方、昨年の電力不足の影響で、市民の節電に対する意識が定着していることもあり、地区センターの輪番休館など、大きな対策は実施しない見込みだ。市温暖化対策統括本部は「節電対策は先導的な役割もあり、市が率先して実施しています。できるだけ市民生活にご不便がない範囲で公共施設の節電に取り組みます」と話す。
南区役所でも同様にクールビズが始まっており、総務課では「早いスタートでも来庁者や区民の方から自然に受け入れられているのでは」と話している。
昨年、市は5月9日からクールビズを開始。照明の減灯・消灯、公共施設のエレベーターの一部停止などに取り組んだ。その効果は、使用電力総量3400万kWh、電力料金2億5000万円の削減に及ぶ(昨年7月1日から9月30日まで)。
市内企業9割導入
東日本大震災の発生以降、市内の企業でも節電対策に関心が高まっている。昨年、市内でクールビズを実施した企業は91・4%(帝国データバンク調べ・有効回答企業数243社)。75・4%だった2010年に対し、16ポイント増加した。「年々、クールビズの普及率が高まっていますが、昨年の電力供給不足がさらなる追い風となったようだ」と同社担当者。
また、市内に本社を置く大手紳士服チェーンの「(株)AOKI」(都筑区)は、昨年上半期(4月から9月)の売上傾向について「シャツとスラックスの売上がそれぞれ10%増加したが、スーツは10%減少しました。やはり震災の影響があったと思います」と軽装化が進んでいるとしていた。
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