浦舟町2丁目への移転準備が進む南区総合庁舎の設計方針や完成予想図が公表された。新庁舎は地下1階・地上7階建てで、災害に強い庁舎を目指す。2015年度の完成予定で、市は周辺住民への説明を11月中に始める。
市民局が公表した新庁舎の設計方針によると、延床面積は約2万8千平方メートルで現庁舎の約1万1731平方メートルから倍以上となる。区役所と公会堂、消防署、土木事務所が一体となっている。
公会堂は3階から6階部分を使用し、席数は570。駐車場は約130台を設ける予定。
庁舎のコンセプトでは「災害に強い安全・安心な総合庁舎」を一番に掲げる。耐震性に問題がある現庁舎は、東日本大震災直後、揺れが大きく、来庁者や職員が一時的に外に避難する事態となった。これを受け、新庁舎設計では、災害時に対策本部としての機能を果たす区役所の機能強化に重点を置いた。同局によると、区役所と消防署、土木事務所が最初から一体となった庁舎は市内初だという。
地下1階・地上7階の建物は免震構造になっている。また、津波による浸水に備え、防潮板を設け、現庁舎では地下にある電気室を上階に設置する。
三吉小の歴史継承
新庁舎の敷地は、関東大震災直後の1926年に「復興小学校」の第1号として作られた三吉小学校があった場所。1947年の廃校後も市大医学部の校舎として使用されたことから、周辺住民の一部や建築の専門家などから、校舎の保存を求める声が出ていた。同局では「震災復興の歴史を継承したい。取り壊した建物の一部を保存しており、何らかの形で活用することを検討している」という。
懸案となっている庁舎へのバス路線について、同局は「事業者と調整中」というが、バスが停車するためのスペースを設計段階から想定している。
13年度中に具体的な設計を終え、工事着工に入り、15年度の完成を目指す。
周辺住民に説明へ
同局は、新庁舎周辺の浦舟町や中村町の住民を対象に、完成後の日当たりなどの環境に関する説明会を11月30日に行う。同局と準備を進める南区役所では「今後も地域の方に丁寧に説明していきたい」としている。
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