子育てをしながら親の介護を行う「ダブルケア」について考えるシンポジウムが1月20日、フォーラム南太田で開かれ、当事者や介護事業者など約120人が参加した。主催は横浜国立大学アジア経済社会研究センター。
まず、ダブルケアの研究を行う横浜国大の相馬直子准教授とイギリス・ブリストル大学講師の山下順子さんが実態調査の結果について解説した。
母親の15%が直面
子育て中の母親に行った調査では、現在、ダブルケアに直面していたり、過去に経験した人が全体の約15%を占めることが分かった。精神的、体力的な辛さを感じる人が多いという。ダブルケアの一番の支援者は夫だが、ケアマネジャーやホームヘルパーなど、家に訪問してくる介護事業者が精神的な支えになっていることも紹介された。
後半は参加者がグループに分かれて討論した。その中で「育児と介護の両方について詳しい専門職が必要」という声や「当事者の思いや悩みを語り合える場が必要」などの意見が出た。ほかにも、「雇用形態や働き方の改善など、企業の視点で考えるべき」「女性だけの問題にしてはいけない」など、社会全体で対応していく必要があるという認識が広がっていた。
栄区から参加した介護事業者の知野朱美さんは「ホームヘルパーは介護する側とされる側をつなぐ役割を果たせる」と話し、ダブルケアの負担軽減につながる支援を行たいたとしていた。
存在の可視化重要
ブリストル大講師の山下さんによると、ダブルケアは、”家族のことは家族が面倒を見る”という意識が強い東アジア各国で深刻な問題になっているという。山下さんは「これまで、ダブルケアの存在が可視化されていなかった。まずはこうした問題があるということを知ってもらうことが重要」と話した。
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