南区内で地域活動やまちづくりをする人材を育てるための講座「寺子屋みなみ」が2月からお三の宮地区を対象に始まった。区役所の主催で、参加者は地区の歴史や魅力を知るのと同時に、課題も探し出していく。区は今後、同様の講座を各地区で開く方針で、「足元からの地域づくり」を行う人材を育成する。
これまで、地域活動を行う人材育成講座は南区全体を対象にしたものが多かった。しかし、防災や防犯、高齢化などの課題は立地や人口構成などと関係し、地域よって事情が異なる。こうした背景から区は連合町内会単位で講座を行い、活動の担い手を育てようと考えた。最初の対象は吉田新田など、歴史的資源が豊富な、お三の宮地区を選んだ。
地元の魅力再確認
講座は3回シリーズ。1回目は2月13日に吉野町市民プラザで開かれ、同地区の住民25人が集まった。市内でまちづくり活動を行うNPO法人「横浜プランナーズ・ネットワーク」のメンバーが吉田新田の埋め立ての歴史や高齢者とともに子育て世代(25歳〜39歳)の人口密度が高いことを紹介。その後、参加者は2グループに分かれ、同地区と周辺の中で自分が感じる「魅力」と「心配」を地図上に場所を示して出し合った。「魅力」では小中学校や公共施設、日枝神社例大祭などの伝統行事が、「心配」では交通事故が多い場所や汚れている公園のトイレなどが挙げられた。
22日の2回目は、挙げられた場所を実際に歩き、新たな魅力などを探した。60代の参加者から「小学生のころ、この道に子どもが集まる駄菓子屋があった」など、参加者から懐かしい思い出話が次々に出た。
最終回は3月11日に行われる予定。参加者が発見した魅力を生かしながら、課題解決やまちの活性化につながる取り組みを考える。参加している南吉田町町内会の中谷寛会長は「子どもと高齢者をつなぐ取り組みも面白い」と講座をきっかけに新しい活動を始めたいとしていた。
区役所側は「講座後、参加者が自主的に活動を始めてもらえれば」と期待する。来年度以降も地区を選んで講座を行う方針で、地域活動の裾野を広げるための人材づくりに力を入れる。
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