市立井土ヶ谷小学校(伊藤雅代校長)で3月25日、2016年度の学校スローガンとなるキーワード「スカイ(空)」が発表された。同校は児童が主体のスローガン作りを05年度に開始。児童と教諭が目標を共有する「ぶれない学校作り」や団結力向上につなげている。
12年前から始まったスローガンの取り組み。当時、同校教諭だった辻健さん(現・筑波大附属小教諭)は「合言葉で子どもがつながり、物事に取り組むことができないかと考えたのがきっかけ」と振り返る。
これまで「太陽」や「レインボー」など、温かさや個性を大切にすることを連想させるものが設定されてきた。合言葉は卒業生を送り出すプロジェクトを行う5年生が話し合って決定。児童は過去の6年生を超える1年にしようと目標を持ち、最上級生の自覚や新年度へのやる気を高めるきっかけになっているという。
15年度はアース(地球)で、児童の心をつないで「井土っ子の世界」を創出することを目標にした。毎年、昇降口にはキーワードをイメージに児童が制作する幅約5mの貼り絵看板を設置。また、学年便りが合言葉に因んだタイトル(15年度は「EARTH」)になるなど、校内はその年のスローガン一色に染まる。
児童主体でスローガンを発案し、校内に浸透させる取り組みを行うことは珍しく、その活動に興味を示す教育関係者もいるという。
記憶に残る合言葉
3月に卒業した6年生の担任だった田中孝之教諭は、「スローガンで児童と教員がぶれることなく、目標を共有することができる」と取り組みの成果を強調。卒業生は「アースの子」「レインボーの卒業生」などの愛称で呼ばれ、子どもと教諭の記憶に残り続ける。
25日の修了式で16年度のキーワード「スカイ」を発表した5年生児童は「『空』は無限に広がる可能性を持つ。思いやり・協力・優しさの3つで団結したい」と決意を新たにした。
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