南区版 掲載号:2016年8月25日号 エリアトップへ

増加するシニア起業家〈中〉 技術生かし墓石彩る この連載は全3回で、横浜市内におけるシニアの起業について取り上げます。

社会

掲載号:2016年8月25日号

  • LINE
  • hatena
作品を手にする太田さん
作品を手にする太田さん

 戸塚区に住む太田桂(かつら)さん(62)は3年前に「墓石絵 桂」を立ち上げた。

 事業内容は、墓石に彫る絵のデザインだ。まず、遺族から亡くなった人の思い出を聞きながら、デザイン画を作る。その後、石材店での彫刻を経て「墓石絵」として仕上げる。

 芸術大学を卒業した太田さんは、デザイナーなどを経て、県内の高校で美術講師をしていた。父の墓を作ろうとしていた2006年に転機が訪れた。

 「海が好きだった父のため、世界で一つの墓を」。美術の腕を生かし、爽やかな帆船の絵を描くと、思った以上の出来になった。

 「人生の軌跡を形に遺すことで、悲しみを乗り越える力になる」。そう実感し、「これを人生の仕事にしたい」と、男女共同参画センター横浜=戸塚区=が主催する起業セミナーに参加。事業のノウハウを学び、さらに市や各種団体にも協力を仰ぎながら、数年かけて起業にこぎつけた。

「この歳だからこそ」

 最初の依頼主は突然夫を亡くした女性だった。太田さんは遺族の思いに心を寄せながら、「夫の死後に現れた」という黒い蝶や、家族を象徴する5匹の魚を描いた。完成した墓石を見た遺族は、心から喜んだ様子だったという。「遺族の悲しみに寄り添うのは、この歳だからこそできることかもしれない」と話す。

 現在、美術の非常勤講師を続けながら事業をしている。受注件数は年に2〜3件。利益は決して多くはないが「お客さんの喜ぶ顔を見るのは、お金では換算できない嬉しさ」と語る。

 課題もある。パソコンが大の苦手で、顧客とのメールのやり取りも「一苦労」。ウェブでの宣伝にも苦心しているのが悩みだ。

 目標は”年間84件”の受注。大きな数字を掲げるのは、教え子を思う気持ちからだ。「これは人を雇うために必要な件数。美術大を出ても仕事がない教え子が働ける場所にするため、試行錯誤を続けたい」  (続く)

福祉クラブ らら・むーぶ南

高齢者や障害があり、外出が困難な方へ、車で介助付きの外出支援をしています

http://www.fukushi-club.net/

<PR>

南区版のローカルニュース最新6

コロナ禍で端末活用加速

小中学校

コロナ禍で端末活用加速 教育

分散登校、実施に課題も

9月16日号

IR誘致撤回を宣言

山中市長

IR誘致撤回を宣言 政治

初の本会議で所信表明

9月16日号

今週末に野毛大道芸

今週末に野毛大道芸 文化

感染症対策施し、屋内開催

9月16日号

バスの魅力を映像で

市交通局

バスの魅力を映像で 社会

10月20日まで作品募集

9月16日号

芝山漆器を展示

研究会らが中区で開催

芝山漆器を展示 文化

9月16日号

南米原産果物を販売

南米原産果物を販売 経済

上瀬谷の農家 市庁舎で16、27日

9月16日号

意見広告・議会報告政治の村

  • 小児医療費助成の淵源

    取り組み開始から約30年 ニッタオンライン市政報告58

    小児医療費助成の淵源

    横浜市会議員 仁田(にった)まさとし

    9月16日号

あっとほーむデスク

  • 9月16日17:57更新

  • 9月16日0:00更新

  • 9月15日7:45更新

南区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

日枝神社 大神輿を公開

日枝神社 大神輿を公開

18、19日に 巡行は中止

9月18日~9月19日

南区版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2021年9月16日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook