横浜市電保存館(磯子区滝頭3の1の53、石井英明館長)が1月28日にリニューアルオープンする。今回の改修では、歴史展示コーナーや映像シアターを新設。市電の歴史や時代背景などを「学べる施設」に生まれ変わる。
横浜市電保存館は、明治から昭和にかけて約70年間、市民の足として走り続けた路面電車「横浜市電」の車両や資料などを展示・保存する施設として1973年に開館。施設内には7両の保存車両が展示されており、これは国内でも最大級。昨年は約6万5千人が訪れている。
リニューアル前は車両に乗り、直接触れることができた一方、市電が人の暮らしや横浜の発展に貢献してきた歴史を学べる資料などが少ないことが課題だった。
さらに廃止から44年が経過し、実際に走っていた市電に乗車したことがある人も少なくなり、同館の来場者は、市電の存在そのものを知らない世代が大半を占めている。同館ではこうした現状を受け、実物の資料を揃え、歴史を伝えていく必要があると、リニューアルを行った。
貴重な乗車券展示
今回の改装では、展示車両はそのままに、倉庫やジオラマの一部などを「歴史展示コーナー」「市電シミュレーター」「映像シアター」に新設した。歴史展示コーナーは写真、地図を中心としたパネルや使用されていた乗車券などの実物資料をショーケースで展示。映像シアターは、80インチの大型モニターで市電の歴史を紹介する。シミュレーターは、昭和40年代の横浜の街並みをCG映像で再現し運転を体験できる。
石井館長は「市電に触れて楽しめる施設から、歴史などを学べる施設に生まれ変わった。自由研究などでいたい」と話している。
初日に記念講演会
リニューアルを記念し28日に南区在住の作家・山崎洋子さんや横浜シティガイド協会の嶋田昌子さんらが解説する市電の歴史などに関するトークショーを行う。午後2時から3時30分で、当日先着45人。2月4日からは連続講座も開催。
28日からは入館料が改定となり、大人(高校生以上)が100円から300円、3歳から中学生は100円となる。
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