新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月5日に蒔田公園で予定されていた「南区桜まつり」の中止が決まった。恒例の大岡川沿いのぼんぼり点灯も行われないことから、川沿いの商店からは「花見客が減って、売り上げがさらに落ち込むのでは」と落胆の声が出ている。
桜まつりは夏の「南まつり」などとともに「南区4大まつり」に位置付けられる区内最大規模の行事。公園内に模擬店が並ぶほか、ステージでは歌や踊りがある。
大震災以来2度目
今回は節目の30回目となるはずだった。桜まつりの中止は、東日本大震災があった2011年以来2度目。16年にメイン会場がそれまでの南センターから蒔田公園に移ってからは初めて。
川沿いのぼんぼりも取り止めとなった。予定では弘明寺商店街中央の観音橋から黄金町駅そばの白金橋までの2・7Kmに約2500個を付けることになっていた。主催の実行委員会は、まつりの運営費に充てるため、ぼんぼりに名前を入れ、1灯3千円で協賛金を募っていた。実行委員会事務局の南区役所地域振興課によると、すでにぼんぼりは作成されており、まつりの準備が進んでいたため、返金はされないという。
まつりでは団体が飲食販売などを通して活動資金を得ている側面もあった。出店予定だったある団体の関係者は「まだ売る物を仕入れていなかったので、損失がないだけ良かった」と自らに言い聞かせるように語った。
区の資料によると、3月下旬から4月上旬の桜の季節に川沿いを訪れる花見客は延べ15万人いるとされる。
花見客が多く訪れる弘明寺商店街は、アーケード改修工事が終わり、通りに今までより太陽の光が入りやすくなった。明るい通りで華やかな季節を迎えようとしていたが、ある店主は「感染防止対策は必要」しつつ、「2月以降の売上は例年より2割減で、これから花見客が減るとさらに落ち込みが進むのでは」と肩を落とす。それでも商店街では桜色の幕を掲げるなどして、ムードを盛り上げている。
中区の黄金町駅から日ノ出町駅周辺で4月4日、5日に予定されていた「大岡川桜まつり」の中止も決まった。
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