学校教員、プロボクサー、お笑い芸人として多彩に活動する 吉田 武蔵さん 保土ケ谷区在住 35歳
「三刀流」 挑戦の道しるべに
○…ある時は中学校で教鞭を執り、戦い、人々を笑顔にする―。「日本一面白い先生になる」を原動力に己の道を突き進む。今年8月22日、日本ボクシングコミッション主催のプロボクサー新人テストに合格。年齢制限の35歳で手にした勲章となった。「まだ試合は経験していないが、いずれは挑戦したいと思っている」と意欲を見せる。
○…北海道出身。子どもの頃、お笑い芸人の岡村隆史さんがテレビで活躍する姿を見て「芸能人になりたい」という夢を抱いていたが、周囲の目を気にして諦めた。転機は30歳。「人生の分岐点。生活をもっと面白くしたい」という思いが込み上げてきた。教員生活の傍ら、お笑い養成所に通って笑いの基礎を一から学んだ。「誰も傷付けない笑い」をモットーに「先生MUSASHI」の芸名で活動。社会人のお笑いライブなどで教育現場を面白おかしくいじるネタを披露し、会場を笑いに包み込む。
○…2年前に両親を交通事故で亡くし、学生時代の恩師がよく口にしていた、「いつ何が起こるか分からないぞ」という言葉が頭をよぎった。コロナ禍でお笑いライブが中止となり、生活に物足りなさを感じて過ごす中、格闘家が少年院で夢を語る動画を視聴。その姿に感動し、プロボクサーを目指すことに決めた。仕事を言い訳にすることなく約8カ月間、週4回の猛練習を行い、また一つ夢を叶えた。
○…「あくまでも本業は教師。教師が務まらなければ、ボクシングもお笑いも辞める」ときっぱり。市内の私立中学で保健体育を教え、2年生のクラス担任やバスケットボール部の顧問も任されている。「いつ何が起こるか分からないぞ」―。そう生徒に呼び掛け、好きなことに挑戦する道しるべを示していく。
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