特別養護老人ホーム新鶴見ホームで介護福祉士として活躍するインドネシア人 ダンタさん 下末吉在住 32歳
国越えて人惹きつける
○…インドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき08年に日本が初めて受け入れた外国人の一人。新鶴見ホームで3年間の実務経験を積み、今年3月、国家試験に合格した。過酷と言われる介護の仕事だが、「楽しい。研修明けに出勤すると『昨日来なかったね。待ってたんだよ』と言ってくれる利用者もいて、うれしい」。話す度笑顔がはじける。カタコトさの残る日本語が愛らしい。
○…母国で看護大学を卒業後、美容整形の病院に勤務していた。04年と05年に2度の日本留学を経験。母国にはない介護の概念を学びヘルパーの資格を取得。EPAでの来日に夢を描いたのかと思いきや、「友達に誘われたから」と異国でのチャレンジをあっけらかんと答える。それでも持ち前の勤勉さを発揮。半年間、語学学校で日本語を学び直し、母国では大学教授でもなければ取得が難しいという日本語検定2級を取得した。
○…ジャワ島中部ジョグジャカルタの小さな町に生まれた。家族は両親に兄7人、弟1人。一人娘の突然の旅立ちにも、両親は言葉で反対することはなかったという。「本当は、遠いところに行ってほしくなかったと思う。でも自分で選んだ道だから」。思わずこぼれた涙をぬぐい、照れ笑いを浮かべる。一人で暮らす今、幼いころ手伝った母の手料理を思い出すという。「インターネットで調べてインドネシア料理を作ってる。それが息抜き」。
○…「合格のため周りの人が自分以上にがんばってくれた」。期待に応えられたからこそ、合格の喜びはひとしおだった。職場のスタッフは、『細かい心遣いができる人。みんなそれがわかっているから応援する』と評価する。「周りが優しくしてくれたから続けられた。安全な国だから日本を信頼している。ジャワ人と日本人は似ているかも。来て良かった」。今後も日本で働き続け、新たな資格にも挑戦するつもりだ。
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